渡辺 碧水
【蜂蜜の性状を変える(三)から続く】
三、蜂蜜の液状をゼリー状に変える技術
ゲル化剤としてゼラチンなどを使う菓子を「ゼリー」という。柔らかな弾力に富み、また摂取時の滑らかな舌触りが好まれ、デザートとして愛食されている。
ゼリーは、甘味料の他に果汁や香料を添加してその風味を付与されたものであり、その風味や食感を手軽に味わうことができる食品として広く嗜好されている。
一方、蜂蜜は、主に果糖、ブドウ糖からなるが、他にショ糖、タンパク質(酵素)、アミノ酸、各種ビタミン、有機酸、無機酸成分を含み、更に非常に多くの微量成分を含む。
このことから、蜂蜜は健康食品として注目されてきた。また、その独特の風味から、チョコレート、キャンディ、カステラなどの食品にも利用されてきた。
独特の風味を有し健康にも良い蜂蜜を添加したゼリーを製品化することも、多く試みられてきた。ただ、従来の製品は果汁と共に付加的に蜂蜜を少量添加するものであった。
そこで、従来の製品にはない、蜂蜜独特の風味豊かな新しいゼリーを開発することに挑戦した。
鋭意研究した結果、「蜂蜜ゼリー」は、甘味料として蜂蜜だけを使用し、かつpH調整剤(腐敗防止や変色防止のため加工食品に使う食品添加物)としてリン酸製剤を用いることにした(通常はクエン酸製剤を使用)。
蜂蜜は、蜜源花の種類によって色艶や風味などが異なるが、本発明では、何れの蜂蜜も使用できる。
pH調整剤には、食品用のどのリン酸製剤を使用することができるが、pH緩衝力の強い「サンロック(エフシー化学の製品)」が好適である。非常に少量で済み、食品添加物の使用量を軽減できる。
ゲル化剤には、ゼラチン、寒天、ペクチン、澱粉、増粘多糖類、またこれらの混合物を使用できる。増粘多糖類混合物(例:タイトーゲルAR−O)が好適である。
(技術:蜂蜜ゼリーおよびその製造方法。出願人:ビーケー株式会社。発明者:金山太造。公開日:二〇〇〇年九月十二日。公開番号:二〇〇〇-二四五三六三号)
【蜂蜜の性状を変える(五)へ続く】
(完)
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