ぢみな女
母の会社の社長はどこかへ旅行に行った際に、いつも社員にお土産をくれる。
私は娘という立場で、家族ぐるみで恩恵に与っている。
ある日、行った先の場所は失念してしまったがはちみつセットを貰ったことがあった。
私ははちみつを毎日舐めたいほど、まるでくまのプーさんかの如くはちみつの味が好きだ。
でも、さすがに実行に移したことはない。
他のお土産の時も密かに楽しみだし、嬉しいのだけれどその時は更に嬉しさが溢れた。
母が貰って帰って来た夜、トーストにはちみつとバターを塗って有り難く頂いた。
宝石のシトリンのようなはちみつは、見ているだけでも胸がキュンと高鳴る。
市販のものではない農園の商品だったので味が濃厚で、はちみつがねっとりとしている。
甘さも勿論あるけれど、天然のもの特有のクセのようなものも感じられた。
全て含めて美味しくて、更にはちみつそのものに興味を持ったし好きになった。
美味しくて質の良いはちみつを数ある物の中からチョイスした社長の感覚は、やはり冴えているなと思う。
私自身も今度誰かにお土産を買う時には、はちみつを選ぼう。
(完)
蜂蜜エッセイ一覧 =>
蜂蜜エッセイ
応募要項 =>
Copyright (C) 2011-2025 Suzuki Bee Keeping All Rights Reserved.