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蜂蜜エッセイ応募作品

蜂蜜の性状を変える(二)

渡辺 碧水

 

 【蜂蜜の性状を変える(一)から続く】
 以降に紹介する事例の主要内容は、「未来を創るためのプラットフォーム」を掲げる「アスタミューゼ株式会社」が提供する公開公報技術のデータベースから得たものである。
 各末尾に、特許出願人などの情報を挙げた。
 一、蜂蜜の液状をプリン状に変える技術
 常温での蜂蜜は粘り気のある液状である。
 このため、容器から取り出すとき、スプーンからこぼれたり、容器の外周面に付着したりするなど、取り扱い上不便で厄介である。また、パンなどの食べ物に塗るとき、垂れ落ちて衣服や家具を汚すこともある。
 特に、学校給食で出すときには、こうした不便があるので、蜂蜜は栄養価の高い食品にもかかわらず、使用が制約されてきた。
 この難点を克服するために、蜂蜜を扱いやすいプリン状にすることが考えられた。バインダー(固着)剤の寒天の水溶液を混合して、蜂蜜をプリン状に加工するもの。バインダー剤として澱粉やゼラチンを用いることも可能だが、食味は寒天が優れている。
 蜂蜜千gを単位とする製造方法は、まず、四~十gの寒天(粉寒天が水に溶けやすい)を百~百五十gの水に溶かし、四十五~九十℃に熱して寒天液を造る(最適温度は八十℃程度で、よくかき混ぜると、滑らかなプリン状が得られる)。
 流動状の寒天液と、四十~五十℃に加熱した天然蜂蜜とを容器に充填し(入れ)て、混ぜ合わせる(蜂蜜の最適加熱温は約四十℃)。容器(最適はガラス製)に入れたまま、室温で自然に冷ませば、完成。
 この方法で性状が変化した蜂蜜は、流動しないプリン状であるため、スプーンですくい取って使用でき、スプーンや食品から垂れ落ちないので扱いが便利である。また、容器の外周が汚れず、容器内に残さないで完全に食べきれる。
 特別な装置や操作を要しないので安価に製造でき、低温で処理するため有効な蜂蜜の成分は損なわれない。
(技術:プリン状蜂蜜とその製造方法。特許出願人:有限会社美甘養蜂園。発明者:美甘明。公開日:一九九五年五月二日。公開番号:一九九五-一一一八六五号)
 【蜂蜜の性状を変える(三)へ続く】

 

(完)

 

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