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蜂蜜エッセイ応募作品

体力回復へ向けて

あんドーナツ

 

 東アフリカ・タンザニアに赴任して3ヶ月ほどして、「あれっ、風邪かな!?」といった症状に見舞われた。医者に診てもらうまでもないだろうと、市販の風邪薬を飲み始めた。しかし、一向に良くならない。高熱も続き、悪寒もひどくなる一方だ。
 「ブワナ(旦那様)、病院に行った方がいいですよ」
 使用人のテムが見かねて言う。
 やっと重い腰を上げ、タクシーで病院へ駆けつけた。
 「即入院です。手遅れになるところでしたよ」
 診断した医師の安堵したような顔。
 風邪のような症状と思っていたのは、マラリアだった。日本にはない病気なので、そこまでは頭が回らなかった。蚊が媒介する感染症で、毎年多くの人が罹っては命を落としている。人生で初めての入院を、アフリカくんだりまで来てするとは思ってもみなかった。
 キニーネを服用し、点滴を打ち、安静にすること一週間ほどで退院した。
 「ブワナ、体力回復には、これが一番ですよ」
 テムは、蜂蜜を用意して待ち構えていた。そういえば日本薬局方でも、病後の栄養補給に有効とされていたはずだと、朧気ながらにも思い出した。
 蜂蜜は高価なので、ここかしこで売ってはいない。きっと苦労して手に入れたのだろうと、頭が下がった。食欲が回復するまでは、エネルギー補給源としてお世話になるだろう。元気になったら、テムにたんまりチップを弾んでやろうとの気になった。

 

(完)

 

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