はちみつ家　>　蜂蜜エッセイ

蜂蜜大好き家族

れもん

　私の親は、健康維持には蜂蜜が一番という考えで、私が子どもの頃、うちの台所には、いつも蜂蜜の１キロの瓶がいくつも並んでいた。
　母は幾度となく、レモンスライスの蜂蜜漬けを作っていた。子どもには酸っぱいレモンだが、蜂蜜の甘みを感じながら、時間をかけてスライスをかじっていた記憶がある。また、時には紅茶に入れて、大人気分を味わったたものだ。子ども会のスポーツの練習の後は、このレモンスライスの蜂蜜漬けを差し入れとして持ってきてくれて、みんなで喜んで食べたのも良い思い出だ。
　父は毎朝、トマトジュースに蜂蜜を入れ、グルッとかき回すと、美味しそうにゴクゴク飲んでいた。　
　私は、定番のホットケーキや厚切りハニーバタートーストが大好きだが、なぜか思い出すのは、冬に母が作ってくれた大根の蜂蜜漬けだ。寒い朝、起きた時に"喉が痛い"と告げると、母は"大変"と言い、学校から帰ると、必ず瓶入り蜂蜜に大根が漬けてあった。大根ハチミツエキスと呼んで、少しお湯を足して飲むと、喉の痛みが和らいだような気がした。
　両親は、蜂蜜のおかげか、８０代になった今も二人で元気に暮らしている。そうだ、これからは、私がレモンや大根の蜂蜜漬けを作って二人に届けよう。これからも元気でいてほしいと願うばかりだ。

（完）