渡辺 碧水
以前に、当「蜂蜜エッセイ」欄で「YOUの夢は蜂蜜酒の醸造所」を書いた。
テレビ番組「YOUは何しに日本へ?」で、無類の酒好きのロシア出身のYOU妻と日本人の夫が、最も旨いと感じた蜂蜜酒の醸造所を自ら作ろうとしている話だった。
その中で「蜂蜜酒(ミード)は人類最古の酒」と紹介したが、後で少し不安になり、そう言われている真偽を探ってみた。
報道としては、二〇一九年三月一日の「日経MJ」の記事「蜂蜜酒/甘い香り誘われて」の中に「『世界最古?の酒』ミード」とあり、「…素材や製造工程がシンプルなため、一万年以上前から作られ、『世界最古の酒』とも言われる。…」との説明があった。
フリー百科事典『ウィキペディア』は、ウェブ雑誌『料理通信』の「二十一世紀のクラフト酒造家、太古のお酒で腕試し」(二〇一五年十一月五日)の記事「蜂蜜が主原料の酒『ミード』の発祥は、人類がホップやブドウに出合う前の旧石器時代末にまで遡ると言う」を採用している。
念のため、二〇一五年九月、蜂蜜酒「ミード」の普及と業界の発展を目指して設立された「一般社団法人日本ミード協会」のホームページに当たってみた。
見出し「ミードの壮大な歴史」の下、「ミードの歴史はワインやビールよりも古く、一万四千年以上前に人類が出会った『最古の酒』といわれています」とある。
また、「その出会いはほとんどハプニングだった……喉の渇いた狩人が、ひっくり返って水の溜まったミツバチの巣を見つけ、その水を飲んだところ、味わったことのないおいしさとともに、とても気分が良くなったと言われています」と。
さらに「その製造工程は十九世紀まで確立されませんでした。原理は分からないが、蜂蜜と水を合わせると知らぬ間に素晴らしい飲み物が出来る。まさしく神から授かった飲み物であったのです。古代において蜂蜜はその防腐作用から、塩と並んで『再生をつかさどる神聖な物質』とされていました」とも。
以上、いずれも検証したものではないが、「蜂蜜酒(ミード)は人類最古の酒」を十分に証拠づける記述だった。
(完)
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