渡辺 碧水
【六角形巣構築の過程(三)から続く】 情報源は変わって、日本において最新と思われる研究について紹介する。 蜜蜂が造る「ハニカム構造の謎」の解明に取り組む日本の研究者としては、鳴海孝之(敬称略、以下同)を代表とする学者グループが挙げられる。 順不同で構成メンバーの氏名と所属を示すと、鳴海孝之(山口大学)、大zア浩一、上道賢太、陰山真矢(関西学院大学)、本多久夫(神戸大学、理化学研究所)らである。 日本語による論文や報告等を、最新のものから遡る形で入手可能な五つを示すと、次のようになる。学会発表、英文論文等も含めると多数あり、二〇一五年十月まで遡る。 ◎「ミツバチの営巣初期過程に対するエージェントベースモデル」昆虫総合月刊誌『昆虫と自然』五十四巻、二〇一九年八月号掲載。 ◎「ミツバチの営巣初期過程に見られる自己組織化」形の科学会『第八十七回形の科学シンポジウム講演予稿集』四巻一号収録、二〇一九年六月八日開催。 ◎「ミツバチがつくる『ハニカム構造』の謎―ミツロウの自己組織化をシミュレーションで検証する―」ウェブ雑誌『アカデミストジャーナル』二〇一九年一月十六日掲載。 ◎「ミツバチはどのようにして精緻な巣をつくるのか?―ミツロウの付着と掘削に着目したハニカム構造への学際的アプローチ―」山口大学サイト『新着ニュース』および『神戸大学医学研究科/研究ニュース』で紹介、いずれも二〇一八年十月二十五日発行。 ◎「ミツバチの造巣初期過程における自己組織化:付着 ・掘削モデルの解析」(英文原著論文、JSPS科研費助成研究)PLOS社刊行のオープンアクセス雑誌『PLOS ONE』に二〇一八年十月二十五日掲載。 同一話題の情報源をいくつも挙げたのは、いずれか一つを読めば、ほぼ同一内容の公表情報が得られるからである。 貴重な研究成果は丁寧にじっくり読み込むのが賢明だと思う。 実は、難解な用語が出てきて、筆者にはうまく説明できない部分もあるので、各自が直接読んで正しく理解していただきたいとの思いが本音である。 【六角形巣構築の過程(五)へ続く】
(完)
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