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ミツバチと共に90年――

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蜂蜜エッセイ応募作品

袖口注意!

さよりフライ

 

 私は蜂蜜が好きだ。分厚いトーストに垂れんばかりの蜂蜜を表面張力限界まで浮かべる。それにかぶりつき、口の中にねっとりと芳醇な甘さが広がる。そして、口の端から滴る黄金色の蜜。とても幸せな気持ちになる。ただ、蜂蜜を食べる度に思い出す悲劇がある。木枯らしが冷たい秋半ば。小学一年生の私は長袖の体育着を着ていた。その日は朝から右腕にチクチクとした違和感があった。友達と遊んでいても気が散ったので、右袖口に左手を突っ込んだ。すると、何かを掴んだ。子供の指で摘まめる大きさの何か。私はピンときた。引っ付き虫だ!正式名称、オナモミ。秋の下校での定番遊びアイテムだ。引っ付き虫を友達と投げ付けあううちに袖に入ったのだと確信すると共に、友達に投げ付けたいいたずら心が働いた。私は摘まんだそれを勢いよく袖口から取り出し振りかぶった。しかし、それはミツバチだった。思いがけない者の登場に驚いた。即座に私の頭の中は、ミツバチ=針=死という極端な方程式が出来上がり泣き叫んだ。友達が何事かとかけより、私が思い切り投げ飛ばした先にミツバチが低空飛行していたのを見て、みんな悲鳴をあげ、その場は大パニックとなった。幸い針は刺さっていなく、保健室で軽く消毒をしてもらった。その出来事を母に話したら、洗濯物を外に干したから、寒かったミツバチが袖口から入ったのだろう。洗濯物を取り込むときはよく払うねと。蜂に三回刺されたら死ぬという迷信を信じていた私にとっては修羅場だった。もちろん個人差はある。養蜂所の人たちはまずは安全第一に袖口や首筋にはくれぐれも気をつけて頂きたい。そして、美味しい蜂蜜をいつも食卓に届けてくれてありがとう。

 

(完)

 

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