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ミツバチと共に90年――

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蜂蜜エッセイ応募作品

おじさんの蜂蜜

いつも心に花束を

 

 おじさんから最初に蜂蜜を買ったのは二〇年も前になると思う。
 あの日、2キロ以上もある大瓶を夫が持ち帰ってきたのだ。
 私は「こんなに大量にどうするの!」半ば怒り気味で言ったのを覚えている。
 翌日から夫は紅茶に入れ始めた。高校生の長女は部活用にレモン漬けを作り、中学生の次女はきな粉や梅干と混ぜた牛乳ドリンクを飲み始めた。
 それを見た姑が「喉にいいから」と蜂蜜大根を作ったり、醤油ダレに加えていつもより美味しい鶏の唐揚げを作ったりした。
 気がつくと私の便秘もすっかり解消されていた。
 その後も毎年時期になると、夫は大きな瓶を抱えて帰ってきた。
 ある時、いつもより五〇〇円安く買ってきた年があった。
 おじさん曰く「いつものアカシアが採れず、別の箱の物だから」と言う事らしかった。私たちは笑った。
 「そんなの黙っていれば分からないのに」「随分正直なおじさんね」笑いながら家族の間に温かい空気が流れるのが分かった。
 あの日から月日が経ち、夫と2人だけになるとチューブの蜂蜜で事足りる生活になった。
 そしてつい最近知ったのだが、あの時のおじさんは今年で一〇〇歳になると分かった。「さすが!」懐かしくて、嬉しくて、胸がキュッとなった。

 

(完)

 

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