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ミツバチと共に90年――

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蜂蜜エッセイ応募作品

真冬、蜂の恩恵

生田 コウ

 

 初詣に行きましょうと誘いがあり、後輩と二人で電車に乗って出雲大社まで出掛けた。年が明けて一週間経っていたが、まだまだ参拝する人は多い。
 女二人の旅は寄り道がつきものだ。参拝したあとは神門通りをぶらぶら、どうしても勾玉だとか兎の雑貨だとか、そういう可愛らしい物に心惹かれ、高くて手が出ない水晶玉を眺めたり、おみやげを物色したり……と、あてもなくさ迷っているうちに一軒。はちみつソフトという魅力的なスイーツの看板を発見してしまう。
 これは食べるしかないでしょうと私達がお邪魔したのは「はちみつ工房 花の道」。入った瞬間目に付いたのは、蜂の群れ!綺麗に瓶詰めされた蜂蜜や、蜂蜜を使った色とりどりの飴が陳列されている棚の上に、四角い蜂の住処が飾られていたのだ。勿論蜂が外に出てくることはないが、ガラスが貼り付けられた巣の中で無数の蜂が蠢いている様子に、後輩はキャアキャアと笑いながら身をすくませていた。その後数々の蜂蜜を眺めていると「よろしければ味見をどうぞ」店員のお兄さんが声を掛けてくれた。「良いんですか」「はい。花によって蜜の味が違うんです。食べ比べてみてください」爪楊枝にくるくると蜜を巻き付けて、さあ、と差し出される。みかん、りんご、菜の花、菩提樹、野山の花草木……様々な植物の蜂蜜を舐める度に「すごい」「すごいね」とありきたりな感想を口にした。だってすごいのだ。全て甘いが、色も香りも風味も、後味も違う。みかんの花の蜂蜜はみかんの味がしたし、菩提樹はツンと鼻に来るハッカに似た刺激があった。蜂は美味しい花や木を熟知している賢い生き物に違いない……その恩恵に預かりながら、図々しくも全ての蜜を味見させて頂いたのだった。
 すっかり蜂蜜に感動した私達は、自分用のお土産をその店で買った。黄金色の蜂蜜。そのずしりとした重さを大事にぶら下げて、寒空の下、優しい甘さのはちみつソフトを舐めながら再び神門通りを歩いていった。

 

(完)

 

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