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ミツバチと共に90年――

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蜂蜜エッセイ応募作品

奄美大島の養蜂

高木 勇

 

 奄美大島のことを知っている人はどれだけいるでしょうか?
 私は四十三年前、二十三歳の時に、この島を訪れるまで知らなかった。そこで、陽射しは厳しいが、しなやかな人間性と空と海の青いグラディエーションが織りなす環境に魅了され1カ月滞在した。
 そして、そこで養蜂という仕事を知った。島南部に笠利町という町が有り、農業が盛んだった。私が訪れた十二月初め、その一角に蜜蜂が入った箱が有った。
 不思議そうに眺めていると、
 「あんまり近くで見ると蜂が怖がるから。それに刺されるよ」
 人の良さそうな五〇位の叔父さんが当然のことを言った。
 「すみません。珍しんで何かなと思って」
 それから話が弾み、養蜂のことを教えてくれた。

 養蜂には移動養蜂と定置養蜂の2類があり、定置養蜂では同じ場所で次々に咲く異なる種類の花の蜜を集める。果樹の受粉目的に定置養蜂が行われることもある。これに対し、移動養蜂は特定の花の開花時期に合わせて国内各地を移動する。
移動養蜂では、開聞岳でレンゲソウ、信州でリンゴ、アカシア、関東でトチ、北海道でクローバー、アカシアの様に花を追いかけ1カ所二〇日を目安にトラックに蜜蜂が入った箱を積んで移動をする。と聞いてロマンを感じた。
この叔父さんは土地の人で主に、マンゴーやタンカン等の柑橘類の受粉を目的に蜜蜂を貸し付けると言った。

 結婚後、会社で健康食品の斡旋があり、蜂蜜を買った。好評だったが、妻が「このねばねばの処理に困る」と大きな缶に入っていて取り扱い方が難しいと言いいつしか買わなくなった。
数年後、チューブ式の蜂蜜が発売され、購入すると妻や子供に好評で、トースト、珈琲に入れて盛んに食べた。
また、子供には蜂蜜のレモン漬けが好評だった。

 そして更に時が経過し子供は育ち家を出て、蜜蜂叔父さんは亡くなったが、今でも蜜蜂はマンゴーやタンカンの受粉に活躍しており、蜜蜂を見ると叔父さんを思い出す。

 

(完)

 

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