瑠璃
私が子供の頃、母は夜遅くまで働いていたため帰宅してくるのが夜中になることがよくありました。それなので起きている間に母が帰ってくるととてもうれしかったのを覚えています。
私が幼稚園に入る前のある冬の夜、姉と妹と私の3人で起きていると母が帰ってきました。冬の寒さと乾燥で私たちの唇が荒れていたようで、母が「これをつけるといいんだよ。」と言って、はちみつを指にとり、私たち一人一人の唇をなでるように塗ってくれました。
はちみつの甘い味がおいしくて塗ってもらってもすぐに舐めてしまっていました。私たちは、代わる代わる母の膝に乗って、「また塗ってー。」とせがんでは塗ってもらいました。
母はそれを面倒くさがることなくうれしそうに笑いながら何度も何度も塗ってくれました。
はちみつの甘さと母とのふれあいがとてもうれしかった、五〇年近く前の大切な思い出です。
(完)
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