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ミツバチと共に90年――

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蜂蜜エッセイ応募作品

地蜂蜜

森 拓也

 

 「ウチで採った蜂蜜やけど食べてみて」
 懇意にしている地元の漁師さんから自家製の蜂蜜を一瓶頂いた。蜂蜜はミツバチが作るのだから正確には自家製ではなく、自家採取と言うべきだが、くり抜いた切り株や古びた桶に木の板で蓋をし、山のあちこちに放置しておけば、どれかにはミツバチが巣を作るだろうという、実に自然任せの、しかし手間のかからない養蜂?だ。但し、時折見廻らないとイノシシに荒らされたり、スズメバチに襲撃されたりする。
 実は私は蜂蜜にはチョイとうるさくて、娘がニュージーランドに留学していた頃は、帰国する度に名物?のマヌカハニーを買って来てもらったし、インドネシアのロンボク島では、道端の屋台で蜂蜜でベトベトになった巣ごと買い求めて食べたりもした。オーストラリアでは、砕いた氷の上に乗せられた蜜アリをつまみ、溜め込んだ蜜でパンパンに膨らんだ腹をプチュッと潰して吸ったこともある。もっとも、普段は地元の八百屋で売られているノーブランドの地蜂蜜!を愛用しているが、スーパーなどで売っている中国産の蜂蜜などと較べたら桁違いに高価。しかし、味も桁違いに旨いから納得だ。
 ところで、娘が買って来たマヌカハニーはニュージーランドの生態系の中で、低木のハーブを代表するマヌカの花から集めた蜂蜜で、ものの本によると、昔から先住のマオリ族が薬用ハーブとして利用して来たマヌカには特別な抗菌作用があるとか。確かにちょっとクセがあるが濃厚でスパイシーな味わいだ。
 対して地元の野生のニホンミツバチが集めた種 々雑多な野山の花の蜜は、梅の花、ミカンの花の時期によって風味の違いはあるが、夏の暑い時期以外はほとんど結晶していて、南紀の温暖な気候を思わせる、いつまでも嘗めていたくなるような〃ほんわり?〃とした味だ。

 

(完)

 

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