(4)蜜ろう作り
あれから数日経った。
次に巣のカスから蜜ろうの制作工程をご紹介しよう。
これだけあれば……と、たくさん作れることを期待せずにいられない。
まず、一斗缶に水を入れ、グツグツになるまで煮立てるのだ。
あまり水を入れ過ぎると蜜ろうが泡立って吹きこぼれるので入れ過ぎには注意、注意。
沸騰するまでの間、巣のカスをネットに詰め込んで口をひもでしばります。
そうそう、制作過程には企業秘密も含まれるのではしょる箇所もあるが、あらかじめご承知いただきたい。(笑)
予想以上にけっこうたくさん集まった。
全部で3個。。。
これが日本蜂が3年かかって作った巣の量なのだ。
しかしこれだけあれば1回では終わらない。分割して作業を進めていこう。
そろそろお湯が煮立ってきたようだ。
この中に先ほどのネットに詰め込んだ巣のカスを投入する。
ポチャ~ン!
すると、すぐに蜜ろうが溶け出してくる。
ロウが溶ける温度は約60℃。
グツグツ煮立たせる必要もないが、その方が作業が早いのだ。
さらにかき混ぜながら、どんどん蜜ろうを溶かしていく。
はちぶんも日本蜂の蜜ろう作りに立ち会うのは今回がはじめてなのだ。
いったいどんなふうになるのだろうか?
興味津々である。
おおっ!
チーズフォンデュみたい!うまそ~!
でもこれは食べ物ではない。おちつけ、おつつけ!
だいだい溶け出したらネットをあげ、2本の木ではさんで搾り取ります。
ネットの中はカスだけが残る。
これは廃棄、廃棄。
では火を止めて、冷めるのを待とう。
卵焼きの焼く前みたい!うまそ~!
でも食べれません。(笑)
上に浮いて来たのはアク。
蜜ろうと水というのは水と油みたいな関係で、放っておけば勝手に分離する。
ちなみに蜜ろうの方が比重が軽いので浮かぶことになる。
でもこのままではまだ小さな異物が混ざっているので、固まったら更に目の細かい網に移し替え、同じ工程を2、3回繰り返えさなければならない。
しかもネットが3つあるから作業は1日では終わらない。
はちぶんは別の仕事があるので、あとはケンちゃん社長に任せて工場を後にした。
数日後。。。
これが完成した日本ミツバチの蜜ろうである。
重さを量ったら230g。 最初に期待したほどたくさんの量は作れなかった。
それほど日本蜂の蜜ろうは貴重だということなのだ。
1回の日本ミツバチの捕獲で、いろいろな収穫がありました!
(日本ミツバチ捕獲大作戦 完)