ミツバチと共に90年――

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中国アカシア蜂蜜視察紀行(15)《明日の日程》

《明日の日程》

帰りは途中からワンさんが車の運転をしてくれた。
運転席に乗り込んだ時、彼女はルームミラーの角度を変えたが、はちぶんのところからミラーにはワンさんの美しい瞳がダイレクトに映った。

(も、もしかして、ワンさんははちぶんに気があるのか?)

シャイなはちぶんは目のやり場に困ったが、眠気が襲ってアイコンタクトを交わすには至らなかった。(残念!)

今晩宿泊する西安市の『海泉湾雑景大酒店』に到着したのは夜の9時を回っていた。
荷物を部屋に置いて、休む間もなくホテル内のレストランで食事となった。

みな席に付くと、リュウさんが嬉しそうに抱えていたのは昨晩も飲んだあの『大白酒』ではないか!
「余りがまだあるぞ!」
と、昨日の飲みかけとあと新品のボトル1本をテーブルに置いた。

昨日確かに1本は空けたはずだから、もう1本余計に合計3本の『大白酒』を仕入れて隠し持っていたのだ!(やるな!この男!)

おまけに丸テーブルには昼も食べたマーボー豆腐がっ!

「このマーボー豆腐はまた違うのだ!」

と、総一郎さんの講釈を聞きながら、笑うしかないはちぶんである。

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「明日の予定ですが……」

と総一郎さんが話し出した。

「本来ならあと数軒養蜂家を回りたいところでしたが、今日行ってわかったように、養蜂家のいる場所は遠く、行って帰ったら上海行きの飛行機に間に合いません。
従いまして明日は観光に時間を当てようと思いますがどこへ行きたいですか?」

事前に知らされたスケジュール表にも、現地2日目は雨天の場合の予備日に当てられており、具体的には決まっていなかった。

総一郎さんが挙げた候補は2つ、

「秦始皇帝陵博物院か、それとも五丈原―――」

このときはちぶんの目がらんらんと輝き出した。
ノッポさんが、僕が『五丈原』に行きたがっていることを総一郎さんに伝えてくれていたのだ!(ありがとう!ノッポさん!)

ところが歴史に詳しい総一郎さんは、
「五丈原に行っても何もありませんよ。できれば秦始皇帝陵博物院の方がいいでしょう」
と、あまり連れて行きたい場所ではない様子。
おまけに周囲の反応も冷ややかで、聞けば西安から2時間くらい離れた場所にあると言う。

『秦始皇帝陵博物院』とは秦の始皇帝のお墓で、あの世界的に有名な『兵馬俑』が見られる場所であり世界遺産にも指定されている。
かつてNHKの『シルクロード』という番組を見て、一時ははちぶんも魅了されたことがある。

しかし年を重ねて今は断然

『五丈原!』

そこに遺跡が残っている・いないでなく、広い中国の目と鼻の先にあるここにまで来たからには、是々が非でも諸葛亮孔明様終焉のその地を、自らのこの足で踏みしめたい!

ケンちゃん社長は「どっちでもいいよ」と、まるで興味がない様子。
結局、最終的な決断をはちぶんに委ねる形になった。

「どうしま……」
「五丈原っ!」

こうして翌日の行動は、はちぶんが夢にまで見たあの『五丈原』へ行くことになったのである!

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