当場ではアカシア蜜をはじめ、レンゲ蜜、菜の花蜜、そば蜜などを取り扱っていますが、春から夏にかけて一斉に咲く多種多様な花々の中から、特定の花の蜜だけが集められるのはとても不思議だと思いませんか?
もちろん一帯に同種の花が沢山あるというのは最低条件でしょうが、実は西洋ミツバチには、一種類の花だけに通うという「訪花の一定性」という性質があります。
そう、西洋ミツバチには、特定の花を嗅ぎ分ける特殊能力があるんです!
その能力は人間とほぼ同程度だと考えられていますが、臭覚器官の構造は人間の鼻とはまったく違います。
ミツバチの鼻に相当する器官は触角にあり、触角の無数の小さな孔から芳香を嗅ぎ分けます。
つまり西洋ミツバチの触覚には、臭覚と触覚の2つの働きがあるのですネ。
そうして認識した花のある場所を、仲間に知らせる手段が「8の字ダンス」といわれるミツバチ特有の動きなんです。
西洋ミツバチのこの習性は、採蜜活動をより効率的にし、植物にとっては合理的な受粉活動に役立っているんですネ!
一方、日本ミツバチからは雑貨蜜しか採れません。
これは、あるいは日本という島国の狭い土地では、そもそも一定の花から蜜を集めることが難しかったためか、長い歴史の中で訪花の一定性を失ってしまったのかも知れませんね。