昨日の続き……。
日本では家紋として見向きもされなかった蜂が、バルベリーニ家の家紋だったとはいえ、どうしてローマで受け入れられたのでしょうか?
日本では徳川家の三つ葉葵の御紋が東京の街中で見られるなんてことは、まずありませんよね。
それでも信州の松代あたりに行けば、真田家の六文銭があちこちで見ることができますが、そのほとんどがお店や企業のマークだったり、地域振興の宣伝だったりです。(笑)
しかしローマのそれは、どうやら宗教的な考えが根底にあったように思われます。
ローマ神話でバッカスという神がいます。
ギリシャ神話ではディオニッソスと呼ばれており、彼はお酒と狂乱の神なのだそうです。なんだかイタリア人のお祭り好きを思い浮かべちゃいますネ。(笑)
実はそのバッカス、ハチミツを発見した神なのだという定説があるらしいのです。
なるほど世界最古といわれているお酒は蜂蜜酒(ミード)ですから、ハチミツとお酒の神様が結びつかない方が変ですネ。
しかもこのバッカスがキリストのモデルになったというのです。
その根拠を探ると―――、
両方とも神が人間の女性に身ごもらせた子であること、
母親が女神ヘーラーあるいは天使ガブリエルにより受胎告知を受けていること、
誕生日が同じ12月25日であること、
そして両方とも暴徒によって殺されますが再び蘇ること……、
などが挙げられます。
特にバッカスは水をワインに変えたそうですが、キリストの方はそのワインは自分の血であると言っているところを見ると、あたかもバッカスがキリストに変わったというようなことを連想させられてしまいますネ。
歴史的に見るならば、ローマ帝国においてキリスト教が国教化される以前、キリスト教は禁止され、信仰者が大きな迫害を受けた時期がありました。
もしかしたら、その間キリスト教はそれまであったローマ帝国の信仰と融合され、このような形が生まれたということも考えられます。
いずれにせよ、バッカスと蜂蜜、そしてローマと蜜蜂の関係がおぼろげながら見えてきた気がします?(笑)