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蜂蜜エッセイ応募作品

僕と蜂蜜

エザキ コウヘイ

 

 蜂蜜の味を知ったのは、いつの頃だっただろう?
 独特の甘い香り。スプーンですくうとどこまでも伸びて、やがて細く長い一本の線のようになる。
 どこまでも甘くて、おいしくて。
 
 子どもの頃。朝ごはんに出てくる食パンの味が、昔は苦手だった。食べやすいようにと、母がマーガリンを塗ってくれるが、それでも好きにはなれなかった。
 ある日、母が食パンに蜂蜜を塗ってくれた。
 食べてみるとすごくおいしくて、それからは一転、朝ごはんの食パンは僕の大好物のひとつになった。
 蜂蜜の虜になった瞬間だった。
 
 中学生に上がると、テレビの番組で紅茶に蜂蜜を入れることを知り、真似をするようになった。
 蜂蜜の味を覚えてからというもの、母の目を盗んではこっそりと蜂蜜をなめるのが僕の密かな日課になっていたのだが、味覚が大人に近づくにつれて、徐 々にしなくなっていった。
 その代わり、テレビで見た蜂蜜入りの紅茶のように、何かに混ぜて食べたり飲んだり、ということが多くなった。
 
 僕は、蜂蜜の香りが大好きだ。
 花の蜜でありながら、あの黄金色の蜜から漂うのは特定の花の匂いではなく、まさしく蜂蜜の香りだ。
 あの全てを、ミツバチが花から花へと飛んで回って集めてきたというのだから、素直に驚きだ。
 一体いくつの花の蜜がブレンドされているのだろうか。
 とても、不思議だ。
 
 ついでに言うなら、僕はミツバチそのものも好きだ。
 小さくて、黄色と黒のコントラストが効いている。首回りがフカフカしていて、気持ち良さそう。
 あの小さな脚で、一生懸命に集めた苦労を思うと、いただくのは大層申し訳ないとも思うが、あなたたちの作る蜜は魔力を秘めているとしか思えない。
 これからも楽しませてください。

 

(完)

 

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