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蜂蜜エッセイ応募作品

おいしいはちみつをつなぐ

秋谷 進

 

 私は子どもの頃、両親が共働きでした。そのため、家に帰っても両親とも家にはいません。家にいるのは、まだ小さい妹2人だけ。兄である私が小学校高学年になると妹2人に、よくおやつとしてパンをトースターで焼いたり、ホットケーキをフライパンで焼いたりしていました。
 兄妹みんなで、美味しいものを食べたいという気持ちが強かったので、ホットケーキにはマーガリンに、はちみつを添えます。兄妹3人で食べるおやつの時間を過ごすためには、最年長である私が、やらないといけないことがたくさんありました。ですがそれでも、この至福の時間を過ごせるなら、私は何でもしようと思っていたほどです。
 学校から帰ってくると、本当はすぐに友達のもとに行きたかった。遊びたい盛りの男の子なんてそんなものです。ですがコンロの火を使ったり、トースターを使ったりしてよかったのは、私だけだったから、私が料理をするしかありません。留守番をしている妹たちが、おなかをすかせて待っていたら、兄としては放置なんてできるわけもありませんよね。
 それに、私が作ったものを妹たちがおいしさに満たされた笑顔で食べている姿を見たら、それだけで報われた気持ちになります。私はそんな2人の妹の顔を見ながら、宿題にとりかかり、宿題が終わったら食卓の片付けをして、それから遊びに行っていました。
 やがて妹たち2人の笑顔は、今は4人の我が子の笑顔に変わり、やはり、おやつはパンケーキやトースト。マーガリンに、はちみつを添えます。
 40年のときを経て、あのときの記憶がよみがえってきます。大変だったけど、幸せだった小学校時代。そして今現在、大人になって我が子を見守る親時代。
やがて、この子たちが大きくなると、今度は孫たちのために私はおやつにパンケーキを作って、マーガリンに、はちみつを添えているかもしれません。おじいちゃんお手製のおやつに、まだ見ぬ孫は、どんな笑顔を向けてくれるのか、今から楽しみです。

 

(完)

 

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