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ハチミツの思い出

Mi.

 

 保育園児だった頃、ハチミツは私の憧れだった。虫歯になるからとたまにしか食べさせてもらえなかったが、割りばしにつけてもらって食べるのが大好きだった。恥ずかしながら、私は水飴をハチミツだと思っていた。
 小学生の頃、ハチミツは大人の味だと思っていた。土曜日に母が焼いてくれるホットケーキが楽しみで、たっぷりのバターをのせた。ホットケーキミックスに付いていたメープルシロップは、当時の私は苦手だった。恥ずかしながら、私はメープルシロップとハチミツの違いが分からなかった。
 大人になり一人暮らしを始めてから、ハチミツを購入するようになった。私の住む北海道は冬の寒さが厳しく、お湯にすりおろした生姜とハチミツを入れたドリンクを寝る前に飲むことが楽しみだった。また、ヨーグルトに入れたり野菜スムージーに入れたりと、朝食の必需品となっていた。私はチューブ式ではなく、大きめの瓶のハチミツを購入していた。
 必需品として毎日味わっているのだが、ハチミツの瓶の蓋がくっついてしまうのは何とかならないものだろうか。瓶の縁にハチミツがつかないように細心の注意を払っているものの、一度も縁に付くことなく使い切ったことがない。気を付けているだけに、縁についてしまった時のガッカリ感と言ったら、言葉にならない。翌日からは蓋を開ける時の感触が変わっている。
 また、残りわずかになってからの一苦労がある。ハチミツが固まってしまい、瓶ごとお湯につけないと食べることができない。ジャリジャリする歯ごたえのあるハチミツは好みではないので、瓶をお湯につけて溶けるのを待つ。これが正しい解決方法なのかどうか自信がないが、何とも切ない時間である。何か対策があれば、ぜひ教えていただきたい。
 ところで、私には忘れられない蜂蜜がある。数年前、中央アジア・キルギスの白い蜂蜜に出合った。もしも人生で最初に食べたハチミツがこれだったら、水飴やメープルシロップと間違えることはなかったと思う。そのくらい見た目も味も特別な蜂蜜だった。美味しかった。日本でも輸入品を含めて「白いハチミツ」商品を目にすることがあるが、あの蜂蜜の白さと甘さが忘れられない。
 実は、キルギスの蜂蜜について、生産者の思いや生産過程を真剣に聞く機会があった。文字で読むことはあっても、話を生で聴くことはあまりない。そういう経験も、忘れられない理由の一つかもしれない。

 

(完)

 

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