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マヌカハニーは砕けない

akeom

 

「飴をかんじゃう癖、治らないなぁ。」
そう、私は飴を口に入れたら最後、たとえ棒付きの飴だろうが「舐め続ける」ということができない。
居ても立っても居られず、噛んで、砕いてしまうのである。
ばりばり、ごりごり、ごくん。

のど飴だってそうだ。本来はゆっくり溶かしながら味わい、のどに漢方やハーブの有効成分をとどめなくてはならないだろう。しかしながら、開発者には大変申し訳ないのだが、私は砕いてしまうのである。欠片が歯にくっついて嫌になることさえある。自業自得に他ならない、私の悪癖である。

でもマヌカハニーは違った。空気が凍てつく冬のニュージーランドでまんまと風邪を引き、のどの痛みを訴えた私に、ホストマザーはマヌカハニーのキャンディを渡した。砕かないよう決意し、一口に放り込むと、それはこれまでのど飴やらとは全く異なるものだった。いつまででも口の中で味わいたいと思った。鼻から抜ける花の香りと、少し癖のある甘さ、あの歯が軋むような人工の甘味ではなく、間違いなく「自然」だと感じた。キャンディだけでなく、紅茶にいれたりもした。次の日にはのども元通りに、いや、少しばかりか良い声になったかもしれない。

帰国後も、私は薬局やスーパーに行くや否や、まるで蜜蜂がそうであるように、「マヌカ」を探しに行く。
マヌカハニーのキャンディだけは噛まずに、というよりむしろ、噛んだらもったいないと思うのである。初めて感じたマヌカハニーの甘さは、さまざまな思い出と共に私の生活に根付いており、今もなお、守ってくれているのだ。

 

(完)

 

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