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蜂蜜エッセイ応募作品

私にとってのはちみつ

彩川 彩菓

 

 私はもう18才なのでそれはもう今から6年以上も前の出来事である。
小学校で出される給食、その給食に週2,3回ほど出てくるパンに半年に一度ほど付属するはちみつが大好きだった。
そのはちみつはほんのり甘くパンに塗らず、直接舐めても喉に突っかからないほど程よい味わいにおものであった。
甘党でパンが好きな私としては絶対に手に入れたい。お宝。それが私にとってのはちみつでした。
しかし、はちみつを愛するのは私だけではありません。小学校という閉ざされた世界で、給食という時間には中々甘いものが出ません。その中にあってはちみつは黄金の秘宝。みんなのどから手が出るほど欲しいのです。
それ故に皆は拳をふるいます。誰もが自分の勝利を信じて突き進むのです。クラスの殆どが勝負に身を投じます。その勝負の名前はじゃんけん。
はい、私にとってはちみつとは勝利の果てに手に入れた祝福の美酒なのです。白くてふわふわなパンの上にトロッと落ちるのは黄金の蜜。舌を滑る半液体と徐々にはちみつを吸って駄菓子のようにぱさっとなる食パン。
口の中に広がり鼻を突き抜けていくあまい蜜を牛乳で流し込む。その瞬間私は感じます。生きていてよかったと。
私にとってのはちみつとは勝利の味なのです。

 

(完)

 

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