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蜂蜜エッセイ応募作品

蜂蜜は大人の味覚

小紅

 

「僕は喉の調子が悪いと思ったらこの蜂蜜を喉に直接…こう、飲んで…ほら、蜂蜜って喉にいいんですよ」と、私が好きな有名な声優が開設したYouTubeチャンネルで蜂蜜を紹介していた。また、私の上司は何度か咳をして「ん?」と思うとすぐにマヌカハニーキャンディーを食べていた。後輩は、美容のためにとローヤルゼリーや蜂蜜スティックを携帯している。私は幼い頃、喉が痛がゆいと家族に風邪っぽい症状を漏らすとリンゴを砂糖で煮込んで少し冷やした後、蜂蜜を垂らして特製のおやつを出してもらっていた。
 しかし、幼い頃は蜂蜜の独特の甘さが苦手だった。祖母が夏に作ってくれるはちみつレモン。体の弱い私は夏になるとそれをソーダに入れて飲まなきゃいけなかった。レモンの酸っぱさはまだ大丈夫だけど、蜂蜜のどろっとした深みのある甘さはどんなに体に良いと言われても美味しいとは思えなかった。
 社会人になり、自炊生活が続く中で風邪っぽい症状がでることも度々あった。幼い頃の蜂蜜の印象がよくなかったから、市販ののど飴をなめることがあったが、効果を感じられないでいた。近所のスーパーでちょっと値段は高いけど…蜂蜜を購入し、家で蜂蜜生姜湯を飲むことにした。のどにじんわりととどく甘み。
 幼い頃は苦手だった蜂蜜の甘さが、まろやかに感じた。正直、嫌じゃない甘さになっていた。大人になって味覚が変るってこういうことかと実感した。スマホで蜂蜜の効果を調べると強い殺菌作用もあるらしく、疲労にも効果があると知った。また、喉が調子悪いときは蜂蜜を水で薄めてうがいすることもいいらしい。
 有名な声優も、身近な人たちも口にする蜂蜜。
 今では、コロナのこともあり私自身、喉に一層気を遣うようになり蜂蜜は手放せない。普段の料理、お菓子作りにも砂糖ではなく代用として蜂蜜を取り入れるようになった。ダイエット効果もある、と知ったからだ。これからも健康のために蜂蜜を使っていく。

 

(完)

 

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