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蜜蜂からの甘いモーニング

せおたきよ

 

 蜂蜜はホットケーキの一部で、黄色いくまさんの大好物。 
 私の認識はそんなものだった。 
 ところが地元の市役所で養蜂が始まり、私の好きなミュージシャンが養蜂を始めたことによって、一変した。 
 誰に頼まれたわけでもないのに蜂蜜の布教活動を試みたのである。 
 まずは効果効能を調べた。 
 検索エンジンに『はちみつ・効果効能』と入れただけでも、かなりの記事が出てきた。 
 アンチエイジング効果、疲労回復は、まあ、蜂蜜素人の私でも知っている。マヌカハニーというのはのど飴で見たことがあったから、口内炎に効果があると見て納得した。 
 母に片っ端からSNSの受け売りを語っていると、 
 「ハチミツって糖質高いでしょ? あんただけ食べなよ」 
 と実に素っ気なく言われた。糖尿病を患って5年目の母は、大好きだった甘いものを控え、老眼の目を酷使して成分表を見ながら買い物している。 
 私は『はちみつ・糖尿病』と入れて検索してみた。 
 すると、意外なことに少量のはちみつで作るはちみつレモンなら良いとのこと。 
 「だったら、少しお高い蜂蜜を買っても、肩身の狭い思いをさせないであげられるわねえ」 
 母はにんまりと笑った。ほどほどに、と釘を刺したかったがあんまり嬉しそうだったから、ねえ、と言って笑った。 
 朝食にホットケーキを焼いた。くっつかないフライパンの上でプツプツと泡立つ生地を得意気にひっくり返す。お店のようにふわふわとしたものではない、頑張っても一センチ位の厚さである。あんまりリッチではないくせに、この時だけはバターを用意する。ピッチャーに入れれば格好いいのはわかるが、ボトルのままでテーブルに置く。 
 「いただきます」 
 私の隣の席では見よう見まねで作ったはちみつレモンの香りが、甘く漂っている。

 

(完)

 

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