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ミツバチと共に90年――

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蜂蜜エッセイ応募作品

合唱コンクール

いろは

 

練習に練習を重ねた合唱コンクール。クラスみんなが一生懸命練習した。
わたしのパートは、「アルト」。見栄えがあるからと後ろに並びたかったが、
前から二列目で観覧席からよく見えるうえに右となりは「ソプラノ」で歌の上手な子。練習と緊張でのどが痛い。先生から『声は、おなかから出すのよ。のどを使い過ぎると声が出にくくなるから。」と言われていたし、合唱部の友達が、おなかから声を出すコツを教えてくれたりしたけれどなかなかうまくいかなかった。
前日の夕方いよいよ声が出にくくなっていることに気がついた。
「どうしよう。」そうつぶやくのを聞いていた妹が「おねえちゃん。しようがないから口パクだね。」とちょっと意地悪な提案をくれた。「口パクか。」
半ば、わたしも最後はそれしかないかと思っていた。
いつもは、食事のとき学校の話をするわたしがだまっていると母が「今日は、静かね。どうしたの。」と言った。妹がすかさず「おねえちゃん声がでないんだって。」「あら。大変。」わたしは、うなずいた。
「明日は、合唱コンクールじゃない?」と言う母の言葉に悲しさを抑えきれず
涙がこぼれた。すると母が「そうだ。すぐに良くなるかわからないけどおばあちゃんが、風邪ひいた時ハチミツを飲ませてくれたのよ。」そう言ってミルクをレンジで温めてたくさんハチミツをいれてくれた。
ハチミツ入りのホットミルク。ゆっくりゆっくり飲んだ。口のなかがハチミツで
いっぱいになった気がした。のどにしみていく。「良くなるように」そう願いながら。翌日の朝もハチミツたっぷりのミルクを飲んで学校へむかった。
2回の深呼吸。さぁ出番がきた。

 

(完)

 

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