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蜂蜜エッセイ応募作品

蜂蜜の思い出

鈴木めあり

 

 私は小さい頃は小児ぜんそくによる病弱で、よく咳が出ていました。そのため、「のどに良いものを」ということで両親、おばあちゃんがよく蜂蜜を買ってくれました。蜂蜜をお湯に溶かして飲んだり、パンに塗って食べるのが大好きでした。特に、パンにマーガリンと蜂蜜を縫って食べるのが大好きで、朝から一気に甘さで目を覚ましていました。そのおかげか、小児ぜんそくは悪化することなく大人になることができました。今はカロリーが恐ろしくてできませんが私にとって思い出の味です。
 蜂蜜が高級品であることを知ったのは高校生くらいです。ふと久しぶりに「思い出のパンを食べたいなぁ」と思い買いに行ったところ、五回使ったらなくなりそうなほど小さい瓶でも想像の2倍くらいしとても驚きました。小さい頃よく食べていたビッグサイズの瓶は…、想像の3倍の値段でした。私は世間知らずでした。しかし同時に、このような高級品をなくなっては買い、私が贅沢に使うのを何も言わなかった親の優しさを感じました。おばあちゃんも徒歩1分の距離に住んでいるのに、お土産でよく蜂蜜を買ってくれました。それらの蜂蜜を生意気にも私は、「この蜂蜜は味が違うなぁ」などと言いながら食べていたのです。あの頃の自分に、「もっと味わって食べろ!そんなにドバドバ使うんじゃない!」と言いたいです。
 蜂蜜は一匹の蜂が一生働いてもティースプーン一杯ほどしか集まらないと知ったのは社会人になってからだったと思います。私は一食で蜂さんの人生何回分をいただいていたんだろう、と反省しました。そのせいか、メイクをするようになってからも「蜂蜜成分配合!」「プロポリス!」などの宣伝文句を見ても「蜂さんが…」と思うようになりました。働き蜂の労働環境は年々ブラック企業になっていないか心配です。
 「甘やか」という言葉があります。聞いただけで心の奥がうっとりするような甘美な響きです。蜂蜜との思い出はまさに甘やかなものです。今は色々なことを知ってしまい、蜂蜜には手を出せなくなってしまいましたが、私の幼少期の思い出に蜂蜜はしっかりしみ込んでいます。

 

(完)

 

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