はちみつ家 > 蜂蜜エッセイ

ミツバチと共に90年――

信州須坂 鈴木養蜂場

はちみつ家

Suzuki Bee Keeping

サイトマップ RSSフィード
〒382-0082 長野県須坂市大字須坂222-3

 

蜂蜜エッセイ応募作品

バリ島の蜂の巣の思い出

おじゃら りんご

 

20年も昔の話。

私は、バリ島(インドネシア)という島に4年程住んでいました。
「最後の楽園」というキャッチフレーズが有名な観光地で、植物は一年中花を咲かせている島でした。
花を咲かせながらも実をつけている植物を初めて見たときには衝撃が走りました。

私が借りていた庭には、ハイビスカスや、黄色い花が咲いていて、その恵みに、沢山の昆虫や爬虫類が集まってきました。

庭には、バナナやジャックフルーツ、マンゴーの木もありました。
あるとき、4メートル程の木(なんの木かは不明)に、スズメ蜂が巣を作り始めて、それは、1ー2年もするとバスケットボールぐらいの大きさに膨らみました。

庭掃除をしてくれる大家さん(爺様)に駆除を頼んでみましたが、南国ペースのため、放置され続け、結局「蜂の巣」は、益々大きくなってゆくのでした。

ある日、爺様は体調を崩したらしく、「自分は具合が悪いから、蜂の巣を取りたい」
と申し出てきて、たった一人で、竹で作った梯子で高い場所まで登り、煙のようなものを巣にいれたあと、ナタで蜂の巣を地面に落としていました。

絶対に、何か所か刺されたに違いないのですが、爺様は、その巣を素手で持って至近の自宅に帰ってゆきました。
その一部始終を遠くから見ていた私たち夫婦は、「きっと、巣を解体して、幼虫やら、ロイヤルゼリーなんかを取って食べたんだろうね」
という話で盛り上がりました。

私たちは、爺様が、蜂に刺されても大丈夫なのかだけが心配でしたけれども、体調不良は、蜂の子を食しただろうため、ケロっと治ったようでした。

私は、東京生まれの東京育ちのため、「日本人だと考えられないけどな―。」
という内心でしたが、ハチミツ(蜂の子・ロイヤルゼリー)の効用というのは、世界標準の認知度なのだと納得。

バリ人は、基本的には野菜と米中心の食生活で、動物性たんぱく質が不足しがちだなという気持ちでしたので、あちらちらに出来るスズメバチの巣は、ある程度大きく育てて、全部食べる。みたいな習慣なのかもしれません。

久しぶりにバリ島時代を思い出し、ハチミツを口に含んだような、優しい気持ちになりました。
甘い記憶、、、、、というのは、確かにあるものですね。

 

(完)

 

蜂蜜エッセイ一覧 =>

 

蜂蜜エッセイ

応募要項 =>

 

ニホンミツバチの蜂蜜

はちみつ家メニュー

鈴木養蜂場 はちみつ家/通販・販売サイト

Copyright (C) 2011-2024 Suzuki Bee Keeping All Rights Reserved.