はちみつ家 > 蜂蜜エッセイ

ミツバチと共に90年――

信州須坂 鈴木養蜂場

はちみつ家

Suzuki Bee Keeping

サイトマップ RSSフィード
〒382-0082 長野県須坂市大字須坂222-3

 

蜂蜜エッセイ応募作品

「これ誰が最初に食べようと思ったんだろう」

マシュマロ=イシヘンジン

 

 「これ誰が最初に食べようと思ったんだろう」と思うことが誰しもあるだろう。私が毎日飲んでいるコーヒーや、とげとげしいウニ、虫の原型が残ったまま佃煮にされるイナゴ。はちみつもその一つである。
 私たちが買う時には透き通った色をしていて、いかにも美味しそうなはちみつ。しかし、テレビ番組などで、はちみつがどのようなプロセスを経て、私たちの食卓に並んでいるのかを見た瞬間、多くの人が最初は驚いたと思う。養蜂家の方が完全防備で大量の蜂に囲まれながら蜜を採る。私は虫があまり得意ではないので、蜂一匹でも正直ビビってしまう。
 ただ、今は「防護服を着ているから」、「刺されても病院に行けばよい」というように、安全性が担保された中で仕事ができるので安心だろうと思っていた。しかし調べてみると、普通に刺されるらしい。当然養蜂家も普通の人間なので、刺されたら死に至ることもある。家族が刺される危険性もある。尚更私は思ってしまった。「これ誰が最初に食べようと思ったんだろう」と。
 実際に調べてみると、養蜂は古代エジプトの時代から存在していたという。ただ蜂の巣を採るわけではなく「養蜂」として。つまり、私たちはミツバチと1万年以上の付き合いがある訳である。当時から香りや味、そして栄養価が評価されていた。
 蜂蜜のポテンシャルの高さは分かった。だが、誰がどうして最初に食べようと思ったのか。それは1万年以上前のことなので推測するしかない。当然昔も蜂は脅威であったはずだ。刺されたら痛いこと、刺されたら死ぬかもしれないことは知っていたはずだ。蜂の巣の外見もあまり近づきたくはない。ただ、彼らにも怖くないところがある。「花の蜜を吸うこと」だ。私たちの血を吸う蚊や、昆虫に食らいつく蜘蛛、それらとは全く違う。そこに着眼して香りも良い蜂蜜を食べようと思ったのではないか。そんなことを考えながら食べる朝食はとても充実したものだった。

 

(完)

 

蜂蜜エッセイ一覧 =>

 

蜂蜜エッセイ

応募要項 =>

 

ニホンミツバチの蜂蜜

はちみつ家メニュー

鈴木養蜂場 はちみつ家/通販・販売サイト

Copyright (C) 2011-2024 Suzuki Bee Keeping All Rights Reserved.