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蜂蜜エッセイ応募作品

蜂蜜三昧

大阪のアン

 

 「蜂蜜が切れたので、今から買いに行ってきます。留守番お願いしますね」
 妻はそう言い残して、自転車で出かけて行った。
 そういえば、妻も私も蜂蜜をよく舐めるようになった。アルバイト先がテレワークを中心に仕事をするようになった。私が事務所に顔を出すのは、3か月に一度ほど。
 「ほんとは、来ていただなくてもいいんですが、会社がなくなってしまったと思われてもなんですからね」
 社長は冗談の積もりなのだろうが、大真面目な顔をして言う。 
 週に2,3日だったのが、今は3,4日、我が家の居間でパソコンの前に座る。その時には、蜂蜜の瓶をパソコンの横に置く。これがすぐれものなのだ。
 アイデアに行き詰まると、蜂蜜を一口舐める。すると、脳のドーパミンが活性化する。あら不思議、行き詰まっていた先が開ける。私はその上を歩き始める。アイデアがまるで泉のように湧いてくるのだ。仕事の間は、蜂蜜が傍にないと、なんとも不安になる。
 妻も同じだ。出かけてやっていた仕事を私と同じく居間でやっている。夫婦とはいえソーシャルディスタンスをキープ。それで、妻は妻専用の蜂蜜を手元に置いている。妻の場合は、気分転換と集中力のレジリエンスに効果があるとかで、なんともしょっちゅう舐めている。消費量は私の比じゃない。
 コロナ禍以前、蜂蜜は家計簿に支出項目がなかったが、今では購入量増のために独立した項目がある。
 妻が帰ってきた。
 「ウィズコロナのニューノーマルでは、テレワークが続くでしょうから、買い込んできましたよ」
 蜂蜜が入ったマイバッグを重たそうに抱えていた。

 

(完)

 

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