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僕の中の革命家

あんどらごら

 

 我が家の朝は、トーストとミルクティーで始まる。僕が幼い頃から続く習慣だ。母はトーストにバターをたっぷりと塗った上で、そこに少量のはちみつを加える。
 初めて食べた時、本当にバターとはちみつという組み合わせが調和しているのか、不安だった。僕が小学校二年生くらいの時に、初めてバターと、はちみつのトーストを食べた。
 バターのこってりとした風味と、爽やかなはちみつの甘さの調和は素晴らしかった。
 それ以来、僕はその食べ方のとりこになってしまった。
 今では、毎日がトースト……という習慣はなくなった。それでも、時時、あのバターとはちみつの載ったトーストが無性に食べたくなって、冷蔵庫の中をあさる朝もあった。
 次に、はちみつが僕の中で革命を起こしたのは、大人になってからだった。
 ある日曜日。
 三時のおやつの時間に、母がお菓子と一緒に紅茶を持ってきた。お菓子はクッキーだった。
 僕は特に何も考えずに、紅茶を飲んだ。
 びっくりした。普通の紅茶よりほんのりと甘く、口当たりも素晴らしい。
 僕は母に訊ねた。
 「この紅茶、普通のやつ?」
 「違うよ。昨日、スーパーではちみつが珍しく安売りになってたの。それで、そのはちみつを入れてみたんだよ」
 僕の中で第二のはちみつ革命がやってきた。
 ただの紅茶にスプーンに一杯ほどのはちみつを加えるだけで、こんなに美味しくなるのか。
 そんなわけで、大人になった今でも、僕ははちみつと縁が切れない。もちろん切る気もない。朝食のトーストにも、昼休みの紅茶にも、必ずと言っていいほど、はちみつが登場する。はちみつは僕の中では、ちょっとした革命家になっていた。

 

(完)

 

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