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蜂蜜エッセイ応募作品

お茶の木

大阪のアンちゃん

 

 「あれ、お茶の木って言うんだよ」
 郊外をドライブ中、友人が指さす方を見ると、大きな木が何本も目に入った。しかし、日本のお茶の木とは似ても似つかない。茶摘みをするとなると、梯子をかけなければ葉っぱを摘むことはできない。ニュージーランドでお茶が生産されるとは、聞いたことがなかったが、そんなこともありかと聞き流した。
 ドライブを終えてホテルに戻ると、お茶でも飲もうかとなった。
 「先程のお茶の木からのお茶を飲んでみたいね」と言うと、友人は驚いたような顔をした。それを見て、今度は私が驚いた。
 「あの木からのお茶は飲めないよ」
 「えっ、飲めないお茶の木なのかい!?」
 ティー ・ツリーと言うから、てっきりお茶の木と思ってしまったのだが、よく訊くと、マリオ語ではマヌカと名がついている。
 「昔はお茶として飲んでいたらしいが、今はマヌカハニーの取れる木なんだよ」
 蜂蜜の取れる木とと聞いて、またびっくり。マヌカの木はいろいろな薬効があり、マリオ族の間では長らく重宝されていたらしい。その木の花から集められた蜜は、抗菌性に優れているとのこと。
 紅茶が運ばれてくると、友人は「マヌカハニー、プリーズ!」と、ウエイトレスに注文した。どうするのか見ていると、紅茶に入れた。
 「ここでは、こうやって紅茶に入れたり、マフィンやパンに塗って食べるんだよ」
 日本で手に入る蜂蜜に比べてどろっとしている。舐めてみると、濃い味がした。
 「明日の朝食では、パンに塗って食べてみよう」と言うと、「バターやジャムより、ずっと健康的だよ」と友人。翌朝からマヌカハニーにすると、「お気に入りのようですね」とウエイトレスに言われてしまった。
 帰国の日、お土産はマヌカハニーと決めていたので、空港のショップで我が家だけではなく、友人用も含めて買い込んだ。

 

(完)

 

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