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蜂蜜エッセイ応募作品

この十年の日々と蜂蜜

渡辺 碧水

 

「十年一昔」という言葉がある。十年を節目に、一区切りを付けて振り返ることには、きっと意味があるだろう。

私が関心を寄せてきたこの「蜂蜜エッセイ」も、応募作品は原則みんな掲載を続けて、ついに第十回を迎えた。思い想いの瞳で見つめた作品を積み上げてきた。

十年前の二〇一七年二月、私は第一回の募集に「トッちゃんだけの蜂蜜飴」を応募し、それが掲載された。その後ブログでも紹介され、予想外の感銘を味わった。

この経験が励みとなり、「米寿まで毎年投稿する」という目標を設定した。そして、この継続によって私は、毎年「ああやった! 目標に向けて一歩前進!」の達成感を味わってきた。

過去九回のこのコンテストで、私は入賞に輝いたことはない。しかし、全回掲載されてきたことで、来年もまたという「励まし賞」を受け続けてきたのではなかろうか。

また、「十年一日の如し」と言われるように、毎日同じような日常を積み重ねていると、時の経つ速さを改めて感じる。日々の繰り返しも、私の姿なのであろう。

私たち夫婦の朝はいつも変わらない。蜂蜜を垂らしたトーストに牛乳、野菜、バナナ、ヨーグルト。最後に、顆粒のローヤルゼリーを一包。私の口癖は「蜂蜜のハチ(8)を横にすれば無限大」。健康を願う暗示として、毎朝、トーストに蜂蜜で8の字ダンスを描く儀式を続けてきた。こうした日常の慣習は、この十年ほとんど変わっていない。

時には些細なことで喧嘩をすることもあったが、ついに昨年十一月に私たちは結婚六十周年、ダイヤモンド婚を迎えた。娘たちが贈ってくれたのは、十月の米寿祝いに「リンデンハニー」、ダイヤモンド婚祝いに「巣入り蜂蜜」だった。風変りに思われるかもしれないが、私たちにとってはこれ以上ない贈り物だった。

「石の上にも三年」の諺がある。三年でも長いと思えるが、十年という歳月には格別の重みがあるのではなかろうか。何事も成し遂げるには、「継続は力なり」だとつくづく思う。

(完)

 

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