原若菜
あっつあつのホットケーキにトロッとかけるハチミツ。甘みと甘みが合わさって、口の中で幸せがじんわりと広がる。この時間がたまらない。バターの塩気がハチミツの甘みをさらに引き出す。口の中がパラダイス。最後の一口になると、寂しささえ感じる。この幸せが、もう最後になっちゃう。うぅ、もっと楽しみたいと思いながら噛み締めて食べる。飲み物を飲むことも惜しく感じる味わい。
はぁ…最高。
子どもの頃、母が焼いてくれたホットケーキにも、いつもハチミツがあった。
ふわふわの生地に、金色のしずくがゆっくり染み込んでいくのを見るのが好きだった。
あの甘さは、ただの味じゃなくて、親子のぬくもりそのものだったと思う。
思えば、ミツバチが集めた花の香りまで、そっと混ざっていたのかもしれない。
私は、大の甘い物好きだ。甘いものはストレスや疲れを和らげてくれる。私にとって甘いものは心と体の支えでもあった。だからホットケーキを朝ごはんや昼ごはんで食べることがよくあった。でも、甘いものばかりを食べていては栄養バランスが悪くなる。しっかりご飯も食べなければと思うのに、どうしても甘いものに手が伸びてしまう。ハチミツも好きだが、甘い物と一緒に食べるイメージが強く、たいていハチミツはホットケーキのお供だった。
ハチミツは、野菜や肉とも相性抜群だということを。
ハチミツの優しい甘さは、火を通すと旨みをそっと引き出してくれるらしい。
鶏肉をハチミツと絡めておくと、濃くてジューシーなお肉に大変身。
しょうがハチミツ漬けの大根あんかけは、柔らかくてまろやかで、旨みがしみしみ。
甘いのも辛いのもハチミツ一つで美味しさ満点だ。
ハチミツは甘いものだけのお供ではなかったのだ。
それからは、私の台所にはハチミツが常備されている。ホットケーキはもちろん、お肉にも野菜にも、スープにだってとろりとハチミツを加える。優しい甘みで旨みを引き出す“ハチミツマジック”。ハチミツは偉大だ。
私の食卓も、心も、そっと包み込んでくれるハチミツに感謝しつつ、今日もひと舐め。
その甘さに、また少し救われる。
ハチミツ、最高。
(完)
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