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蜂のキャラバン

れん

 

養蜂家は花を追って旅をするするのだそうだ。

もう55、6年は昔になるのだけれど子供のころ、線路わきの空き地の様な草地に変わった形の木箱が幾つかあった。年に数回、電車で大きな市のデパートに行くときに通るところで、だから見るのも年に数回。近所では見た事のない箱はその場所に有る時も無い時もあった。何だろうと思いながら見るのが好きで、まあ多分ちょっと変わった子で、今日はあるかな、とか、いくつあるかな、とか一人で黙って楽しみながら何年か過ごした。少し大きくなってから「あの箱なに?」と聞いたら「みつばちを飼ってる」のだと聞いて驚いて、あ、じゃあ旅に出るのか、だから無い時があるんだと思ってよけいに好きになった。蜂を飼う人は巣箱をトラックに積んで花を追って南から北に旅をするのだとテレビのニュースで見ていたから。

巣箱を摘んだトラックは列になって出発していた。キャラバンみたいに一緒に移動したのかそれとも途中で別れたのだったか。冬の間は四国か九州かどこか南の方に居て、花の季節になって今年も移動が始まりました、という様なナレーションがあったと思う。季節の風物詩のコーナーで雪が降ったとか滝が凍ったとか潮干狩りだとか紅葉狩りだとか、そういうニュースと同じように扱われていたと思う。いつからか無くなってしまったけれど、花を追う蜂のキャラバンが好きだった。そういう話が好きだった。良いなあ、虫は好きだしやってみたいなあ、と思っていた。一人でこっそり。

線路わきの箱が旅に出ていたのかは判らない。多くても10かその位だったから旅に出るには少ないし、と中学位の時には思っていた。巣箱はずっと有ったり無かったりしていたのだけれど、もう長い事、無い。代が替わったのだろうなあと思っている。花を追う養蜂家は確かまだいたはずだと思うのだけれど。

(完)

 

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