いぬやま
「キーンコーンカーンコーン…」
チャイムの音が鳴って教室を出ようとするけど、自分が授業を受けていることすら忘れていた。
授業中ずっと頭がぐらぐらして、先生が何を言っているのかよくわからなかった。
喉がズキズキする。
また風邪引いちゃった、これで今学期3回目。
大学に入ってからなぜか風邪をひきやすくなった。
授業と、新しいバイト先と、課題で毎日忙しい。
「本当に今日学校行くの?バイトも?」今朝学校に来る時、お母さんに言われた。
「授業は休んだら単位落とすし、バイトは休んだら迷惑かけちゃうから・・・」
そうだ、今朝お母さんがくれた飴・・・
のど飴は苦手だけど、早く風邪治さないと。
のど飴を嫌々口に入れると、濃いハチミツの味がした。
これって!
いきなりおばあちゃんのことを思い出した。小学生の頃、毎日のようにおばあちゃんと遊んでいた懐かしい思い出がたくさん。
おばあちゃんがよく連れて行ってくれたお花がいっぱいの公園。
これ、おばあちゃんが前にくれたプロポリスの飴だ・・・
おばあちゃんとの楽しい思い出が蘇ってきた。そして、悲しい思い出も。
「おばあちゃん・・・」
おばあちゃんには、もう会えない。
けど、ハチミツの飴を舐めていたらおばあちゃんと一緒にいた頃を思い出すから、一つ一つ、大切に味わった。
おばあちゃんの作るパウンドケーキもハチミツ味だったから、ハチミツは思い出の味。
ちょっと自信がついて、力が出た。
なんだかおばあちゃんに応援されている気がした。
おばあちゃんも私の勉強応援してくれていたから、もう少し頑張ってみよう。
そうやってもう一つプロポリスの飴を口に入れて、胸を張って次の教室へと向かう。
のどの痛みは、まだ完全には治ってないけど、さっきよりも体が軽く感じた。
ポケットの中のハチミツの飴が、私の大切なお守りになった。
(完)
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