畠山 厚子
子供の頃、家の近所にれんげ畑があり兄妹でよく花の蜜を吸っていた。れんげの蜜は甘さがさっぱりしていてフワッと花の香りが広がった。誰に教わった訳でもないがサツキや サルビアなど花を見ると密を吸って楽しんでいた。今になってみると何の知識もない子供がよく毒のある花に当たらなかったものだと思う。
そして大人になった今は各地の産直市に行くた度に蜂蜜を買っている。街中に住んでいても偶然「産直フェア」などに出会ったりして全国の養蜂家さん達が育てられた珍しい蜂蜜に街中にいても出会うことができる。
「こちらは栗の蜜です」なんて言われると見たこともない栗の花を想像しながら試食用のスプーンでペロリ。他にも山桜の蜜や百花蜜と十種類ほど並んでいる中から選びに選び抜いて三種類ほどを買って帰る。毎回ものすごく迷うので産直市に行ってもほぼ蜂蜜屋さんしか見ないで帰ることも多々ある。
しかも数多並んでいる中にれんげの蜜があると一つめはれんげ密に確定し残りは二枠に減ってしまう。街育ちで田舎も持たない私にとってれんげの蜜は「ふるさとの味」みたいなものだ。
大人になって、あの小さな蜜蜂たちが少量ずつ集めてくれた蜂蜜の貴重さを知ると本当に有難い。有難いと言えば蜂蜜の効能も有難い。食べる楽しみ以外にも薬として我家ではマヌカハニーを常備している。
口内炎ができたといっては塗り、喉が痛いといってはスプーンですくってなめている。特に口内炎はよく効く。薬局に行けば口内炎用の貼り薬も売っているが貼ってしばらくするとドロドロに溶けてくるものや、固くていかにも「貼っています」という感じのものなどどうにも好きになれない。その点マヌカハニーを始めとした蜂蜜は食品でしかも美味しいから苦もなく続けられる。
昔見た韓国ドラマでは味覚を失った料理人が蜜蜂の針を刺して治すという治療を受けているのを見て驚いた記憶もある。時代劇ものだったので本当に効くかどうかは知らないが蜂蜜の効能を考えると本当にあったのかもしれないと思う。
願わくば何歳になっても 味覚を失うことなく「利き蜂蜜」のできる舌であってほしい。たぶん全国には私の知らない蜂蜜はまだまだ ありそうだし。と、今回の賞品のアカシアの蜂蜜に思いを馳せながら今書いている。
(完)
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