清水白桃
私の好きな曲にサブリナ・カーペンターの「espresso」という曲がある。その中に「honey bee」という歌詞が出てくるのだが、この曲を聴くたびに右の足を見てしまう。痛みが蘇る気がするからだ。
先日、友人数名と学校の帰りに他愛のない話をしていたのだがその中で「蜂に刺されたことはあるか」という話題になった。私は、小学生の時に公園で裸足で側転をしたところ、シロツメクサの蜜を吸っていた蜜蜂に足の裏を刺された(罪のない蜜蜂の上に突然私の足を振り下ろしてしまった)ことがあった。激痛が走った。私は当時、痛みと驚きで大泣きをしながら裸足のままケンケンで家に駆け帰った。その後、母親に近くの病院に担ぎ込まれた。これは随分とインパクトのある話だと思っていたが、私の友人のNさんは更に衝撃的な話をした。Nさんも小学生の頃に、小学校で不思議な汚れたかたまりを発見し、友人に促されたので勢いよくデコピンをしてみた。それは蜜蜂の巣だった。無数の蜜蜂は一丸となりNさんを追いかけた。Nさんは蜜蜂から逃げる。そして、咄嗟にうんていに立った。蜜蜂はそれでも許さない。直立不動のNさんは、うんていの上で無数の蜂の攻撃を受けた。私の想像をはるかに超えた話に、笑いが止まらなかった。(Nさんは無事なのでご安心を)
蜜蜂は一生働いてスプーン一杯分の蜂蜜を残す。この話を聞いた時、私は蜂蜜を無駄にするまい、蜂を大切にしようと心に誓った。しかし、なにも私の着地地点に居なく立っても良いじゃないか、と恨めしい気もした。そういう時は決まってこう思うのだ。私は蜂の一生を奪ってしまったのだ。あの蜂は家族だっていただろうし、もっと働き続けたかったのかもしれない。そう考えるとなんとも蜜蜂が気の毒になってきて、あの時の私に「今、側転はするな」と叫びたくなる。私は、以上のことから、蜂を見ると怖さと同時に申し訳なさも感じるようになった。皆さんも、裸足で側転をするときは足元に気をつけてほしい。そんな私は今、「espresso」を聴きながら、スプーン一杯の蜂蜜を食べて甘い幸せに包まれている。
(完)
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