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蜂蜜エッセイ応募作品

部長の“はちみつレモン”

すなお

 

今からもう40年近く遠い昔の“甘酸っぱい”思い出をひとつ。中学に入り、ずっと憧れていたバスケ部に入った私は、毎日朝練、夜連、土日練と、汗だくになって血豆作って捻挫して、それでも走って走って鬼のような練習を、真夏も真冬も休むことなく重ねて重ねて。それでも同級生20人の中から試合に出られるスタメン5人には、どうがんばっても選ばれない日々が続きました。顧問の先生やメンバー達から推薦され、部長になってしまったにも関わらず、試合ではいつもずーっとベンチで「ナイシュー!」「ナイスファイトー!」「一本!」「ディフェンス!」など、全力で応援する掛け声担当。選ばれないくやしさや悲しさ、やりきれなさ、恥ずかしさがこみ上げて、トイレの個室で一人、声を殺して鼻をかんだこともありました。が、それでも。部長としてどうしても勝ちたかった、勝って欲しかった私は、試合のたび、いつも率先して大量のレモンのはちみつ漬けを作りました。まずはレモンを塩でよーく洗います。次にレモンは種を取り除いて、3ミリ程に薄ーく薄ーく輪切りにします。そしてタッパにはちみつを敷きます。その上にグラニュー糖を振りかけてレモンを綺麗に並べます。はちみつ、レモン、はちみつ、レモン…と交互に丁寧に重ね、最後は、はちみつでレモンが完全にひたひたに浸かるように、惜しみなくハチミツを入れて蓋をして冷蔵庫で3日漬け込みます。この間毎日、上下の入れ替えをしてレモンがしっかり漬かるように染みこませ、試合当日は全体にたっぷりはちみつが混ざった状態のタッパーを、奮闘する選手たちにそっと差し出し、元気を注入!レモンのはちみつ漬けを心を込めて作ること。そんな誰にでもできることを、誰にもできないくらいやる。出来ることをやろう。そう決めて笑顔でバスケ部生活を続け、ついに引退の時。驚いたことに、同級生メンバーや後輩たちが、私に「はちみつレモン」のイラストの入った色紙を贈ってくれたのです。「部長のはちみつレモン、どんな応援より心強かった」「あれが食べたくて試合頑張った」「はちみつもレモンも、部長のおかげで大好きになりました!」とまあ、はちみつレモン、はちみつはちみつ。悔しいことも多かったけれど、みんなを元気にすることが出来たバスケ部生活はとても幸せだったなと、この色紙を見るたび、今もニッコリしてしまいます。よし、今日は久しぶりに、毎日頑張るわが夫のために、はちみつに漬けてみようかな?

(完)

 

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