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ミツバチと共に90年――

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蜂蜜エッセイ応募作品

蜂蜜の美味しさを知り、待ちわびる春。

馬須川馬子

 

 私は蜂蜜を使わない家庭で育った。そのため、お菓子に入っていたり、スイーツにかけてあったりする蜂蜜としか縁がなかった。それらの蜂蜜は独特の甘さがあり、物によってはツンとした、鼻を突く風味があった。私はその独特の甘さやツンとした感じが好きではなく、蜂蜜をなるべく避けていた。
 実家を出て、自分で料理をするようになった。意外と料理では、砂糖を使うと美味しいと気が付いた。煮込み料理やトマトスープなど酸味の強い物、辛い料理で砂糖を入れると味がまとまるのだ。
 ある時、スーパーに行くと蜂蜜が安売りしていた。砂糖代わりに料理で使おうと思い、安売りの蜂蜜を買った。料理に使う前にトーストにかけてみると、とてもおいしかった。それから私は蜂蜜の虜になった。トーストにかけたり、紅茶に混ぜたりと、当初の目的より楽しんでいた。
 本来の目的の料理でも、蜂蜜は大活躍だった。私は辛い物が得意ではない。しかし、辛いことに変わりはないのだが、蜂蜜入りだと美味しく食べられた。蜂蜜を入れると煮込み料理も変わる。コクと言えば良いのだろうか、なんとも形容しがたい。ありきたりな表現かもしれないが、ワンランク上の味とはこのことかと思った。蜂蜜を料理に入れるのはよく聞くのだが、こうも違いが出るとは思ってもみなかった。試してみて良かったと自分のチャレンジ精神を褒め称えた。
 後日、同じスーパーに行くと、蜂蜜がまだ安売りしていたので、ストックも買った。2本目の蜂蜜を使っていると、季節は冬になった。寒くなると蜂蜜は固まってしまう。そういう時は容器を湯煎して蜂蜜を溶かして使うと良い。しかし、私が使っている蜂蜜の容器は湯煎には向かないようだ。何度か湯煎して、蜂蜜を使っていたのだが、もうそろそろ容器の方がダメになりそうだ。かくして我が家の蜂蜜は冬眠ということにした。
 蜂蜜の魅力をもっと早く知りたかった。私が今まで嫌がっていた蜂蜜は何だったのだろう。花の種類の問題か、質の問題か、使い方の問題か、どれだろうか。他の蜂蜜も試してみようかどうか、悩みどころである。私はこうして蜂蜜に思いを馳せながら、春を待っている。

 

(完)

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