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蜂蜜を用途に応じて選ぶ（二）

渡辺　碧水

　【同タイトル（一）から続く】
当蜂蜜エッセイの第六回応募作品の中に夏蜜柑さん投稿の『選択肢が多すぎる』によると、ハチミツ専門店では種類が半端じゃなく多くて、紅茶用、ホットミルク用、ヨーグルト用、パン用に至ってはてはトースト用、クロワッサン用など細分化されていたという。ネット通販では「ハチミツ選び診断チャート」もあって、蜂蜜選びを手助けしているほどに多種類化している。
新時代の用途別蜂蜜には、実際にどんなものがあるだろう。本格的なものはまだ次の一例であるが、今後は各ハチミツ専門店から提供されるであろう。
一九三〇年創業の金市商店が運営する蜂蜜専門店、ミールミィ（ 「私だけの蜂蜜」の造語）では、用途別シリーズとして、二〇二二年一月末日現在、八種類が発売され、次のように推奨している（五十音順）。蜂蜜を「もっと身近に」をテーマに、蜂蜜の案内人、ハニーコンシェルジュたちが、個性ある蜂蜜の中からそれぞれの用途にピッタリなものを選んだ使いやすい蜂蜜だとのことである。
・オートミールに合う蜂蜜（程よい甘さと心地よい香りが特徴のスペイン産ローズマリー蜂蜜）
・カフェラテに合う蜂蜜（コクと多少の酸味が特徴的なグアテマラ産コーヒーの花から採れた蜂蜜）
・紅茶に合う蜂蜜（クセの少ないすっきりとした味わいのハンガリー産アカシア蜂蜜）
・トーストに合う蜂蜜（バランスのいい甘みが特徴のアルゼンチン産百花蜜）
・生食パンに合う蜂蜜（甘みはしっかりしていながら、クセがあまりない味わいのニュージーランド産クローバー蜂蜜）
・パンケーキに合う蜂蜜（まったりとしたクセのない甘みのメキシコ産オレンジ蜂蜜）
・ヨーグルトに合う蜂蜜（濃厚な甘みとほのかな酸味のカナダ産ブルーベリー蜂蜜）
・レモネードに合う蜂蜜（すっきりした味わいが楽しめる爽やかなスペイン産レモン蜂蜜）
以上からわかるように、外国産輸入蜂蜜ばかりで、国産のものはない。今後も用途別シリーズは増えて充実していくものと思われるが、国産品も加わり、容器も便利になり、多彩になると期待される。

（完）