はちみつ家　>　蜂蜜エッセイ

はちみつの贈り物

菜やな

　はちみつが送られてきた。母からだ。日頃から「体に気をつけなさいよ」が口具の母。きっとはちみつで体に栄養を送りなさいという意味だろうと推測した。
　はちみつは高級品となりつつある。値段が上がり、おいそれとは簡単に変えない商品でもある。安いものは安いが、美容効果や滋養強壮という意味では、効果は薄いと思ったのだろう。母が送ってくれた商品は高価なものだった。
　きっと年金生活の母は、自分の年金から出して買ってくれたのだろうと思うと、切ない気持ちになった。はちみつのお返しとして何を送ったらいいだろうか、ともらったばかりの私はすでに考えていた。いつまでも親は親であり、子供は子供のままでる。いつまでも母には長生きして欲しいと願うばかりである。

（完）