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高校生の養蜂が教科書に載る（一）

渡辺　碧水

　二〇二一年三月三十日、二〇二二年度から実施される高校の教科目改編で使用する教科書の検定結果が文部科学省から公表された。
　その一つ、社会科新必修「公共」は、社会に参画する際に必要な知識や現状を理解し、実際の社会の課題と向き合い解決する力を身につけるという科目だが、その教科書（「教育図書」発行のもの）に、市立札幌大通高校の養蜂活動「ミツバチプロジェクト」が掲載され、二ページの特集で紹介される。
　高校における先進的な養蜂への取り組みが全国的に知られることは、活発化する高校生養蜂を大きく前進させ、関係者にとっては進歩・向上への励みとなるであろう。
　「公共」の教科書に、なぜ養蜂の話題が載るのか。その謎解きを試みたいと思う。
　まず、二〇二一年四月の概況を確認することから始める。
　京都週末養蜂の会は、そのホームページで二〇二〇年一月二十一日、「活発化する高校でのミツバチの飼育の取り組み」と題して、最近の高校での蜜蜂飼育の動向をまとめ、農学系でない高校でも、地域活動などの一環として行われることが大きな特徴だとした。
　同会が紹介した高校五校の所在地と校名を北から列記すると、次のようになる。
　北海道札幌市、市立札幌大通高校　／神奈川県川崎市、県立川崎高校　／長野県富士見町、県立富士見高校　／愛知県名古屋市、県立愛知商業高校　／広島県神石高原町、県立油木高校
　ただし、生徒や教師が何らかの形で過去または現在、蜜蜂飼育や蜜蜂産品生産に関わった実績のある高校を探してみると、少なくとも次の十四校がさらに加わる。
　秋田県秋田市、県立金足農業高校　／福島県二本松市、県立安達東高校　／東京都北区、聖学院中学高校　／東京都杉並区、文化学園大学杉並中学高校　／東京都墨田区、安田学園中学高校　／東京都目黒区、日本工業大学駒場高校　／埼玉県坂戸市、筑波大学附属坂戸高校　／埼玉県秩父市、県立秩父農工科学高校　／富山県富山市、県立富山商業高校　／岐阜県多治見市、多治見西高校　／愛知県名古屋市、同朋高校　／大阪府大阪市、相愛学園中学高校　／広島県世羅町、県立世羅高校　／岡山県岡山市、県立高松農業高校
　ざっと調べてみても十九校に及んでおり、実際にはさらに増え、かなりの全国の高校生が蜜蜂に興味・関心を持ち、実践活動の経験をしていると考えられる。
　【同タイトル（二）へ続く】

（完）