はちみつ家　>　蜂蜜エッセイ

蜂蜜の力

炭谷　茂太

　「これは美味しい」と思わず声が出た。
　千葉県の障害者就労施設で製造された蜂蜜である。房総の様 々な花の蜜が凝縮されている。一層美味しく感じたのは、心身に障害を持った障害者が丁寧に作った製品だからだ。
　この時風邪気味だったが、この蜂蜜でホットドリンクを作って飲み、早めに寝ると、翌朝すっきりと回復した。蜂蜜は、美味しい上に病気の克服にも有益だった。
　実は私は、以前から経験的に蜂蜜の力を知っていた。
　大学時代であった１９９５年に大学で知り合った友人からプロポリスを紹介された。東京から離れてアパートで自炊をしながら生活をしていた。初めての自炊生活だったので、食事は単調で偏りがちだった。病院に行くほどでもないとは思っていたが、体調が悪くなり、勉強に身が入らなくなった。
　冴えない顔色をしていたのだろうか。友人が、「元気を出せよ。俺の母は、プロポリスが体を丈夫にすると言うので、毎日ほんの少しだけ食べている。効果は抜群だ。」と言い、市内のデパートに売っていることを教えてくれた。
　その時は信用しなかったが、だまされた気持ちで教えられたデパートで買い求めた。毎晩夕食後に食べた。友人の言ったようにだんだんと体に元気が出てきた。実際、病気にはならなかった。
　本で調べてみるとプロポリスは、ワインやチョコレートに含まれるポリフェノールが含有され、ＮＫ細胞を活性化させ、抗酸化作用や抗菌作用があり、ガンのみならず血圧降下、腎臓病、糖尿病、さらに美容にも効果があると書かれていた。現在も医学や栄養学で効果について研究が続けているという。
　医学研究は、今後とも進んでいくだろうが、今日までの私の経験からは蜂蜜もプロポリスも、健康増進や病気の改善に大変役立つと確信している。

（完）