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蜂蜜エッセイ応募作品

空飛ぶ蜜蜂

しんちん

 

 昔、家の田んぼの脇に養蜂家さんが蜜蜂の巣箱を置いていた。田んぼの手伝いをしている時、その巣箱を観察するのが好きだった。巣門の前に屈みこみ、じっと蜜蜂が出入りするのを眺めていた。一見蜜蜂はどれも同じように見えるが、よく見ると元気そうな蜂、汚れた蜂、足に何か着けている蜂、少し大きく膨れ上がった蜂、色色な蜜蜂が飛んでいる。私のお勧めは巣に入る直前の蜜蜂。猛スピードで外から帰ってきた蜜蜂が、巣の前でブレーキをかけスピードを落とし、ゆっくり門の中に入っていく。映画で見たゼロ戦の着陸そっくりだ。その姿を見てますます蜜蜂に興味がわいてきた。
 生物図鑑を片っ端から読み漁るといろんなことが解った。蜜蜂社会は女性社会。男はほんの短期間しか役割が与えられず、その役割ですら終わってしまうと巣から追い出されて野垂れ死んでしまうとか。あ~明日のわが身を見るようで、ますます親近感がわいてきた。蜜蜂はすべてにそれぞれの役割が与えられており、死ぬまで自分が所属するコミュニティに対して何らかの益をもたらしている。人間も見習うことがたくさんあるだろうなと思いながらながめていた。「社会貢献」「無償の愛」「自己犠牲」。現代人(特に日本人)がどこか遠くに置き忘れてしまった、ピュアな気持ちとシャイな心みたいなものを蜜蜂はずっと持ち続けているように思う。蜜蜂が人間から学ぶものは何もないかもしれないが、人間は蜜蜂から学ぶものが数限りなくある。どっちが偉いんだろう。こうやって順位をつけてどっちが上かっていう発想自体が人間の卑しいところなんだろうな。私もまだまだ未熟だ。空飛ぶ蜜蜂を観察しながら人間形成を学ぼうっと……。

 

(完)

 

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