ミツバチと共に90年――

信州須坂 鈴木養蜂場

はちみつ家

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はちぶんのブログ ※鈴木養蜂場で言う『蜂蜜』とはいわゆる『本物の蜂蜜』です。

ミツバチはどうやって花の蜜を運ぶ? 2013/05/20(月)

現在、当場のミツバチたちは、盛んに菜の花の蜜を集めています♪

と、簡単に言っていますが、リュックやバッグを持っていない彼らは、どうやって蜜を巣に持ち帰っているのでしょうか?(笑)

実はミツバチの体には蜜を蓄える蜜胃と呼ばれる器官があります。
口吻と呼ばれるストローのような口で花の蜜を吸ったミツバチは、いったんこの「蜜胃」に蜜を貯めて巣に持ち帰ります。

この蜜胃は出かける時はほぼ空っぽの状態ですが、戻った時は蜜でいっぱいになっています。
そして花の蜜自体の主成分はショ糖ですが、それがミツバチの体の中でブドウ糖と果糖に分解されます。
つまりそれがはちみつというわけです。

その後、巣に帰ったミツバチは、口移しで他の働き蜂に渡したり、巣房へ移して貯蔵します。
ただ、そのままですとまだ完全なはちみつではなく、巣房に貯蔵された後水分を蒸発させ、ちょうど良い状態になると微生物の混入を防ぐため巣房の口を蜜蓋でふさぎます。

この状態のはちみつこそ当場で扱う完熟状態の最高のはちみつなのです。

 

ミツバチが450gのはちみつを集めるには……? 2013/05/01(水)

当場の「自然の美味しさを主張するはちみつ」450g……。

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当場で扱う蜂蜜の中では量が少ない方の部類になりますが、この450gという蜂蜜を集めるのに、ミツバチたちはどのくらいの労働をするのでしょうか?

1匹のミツバチは、およそ巣から8km離れた蜜源まで飛ぶことができます。

そして、集団で450gのハチミツを集めるための総飛行距離は、実に8万~9万kmだともいわれているのです。
地球1周が約4万kmですから、その2倍ということになりますネ!

しかもミツバチが世界一周に必要なハチミツの量はわずか28g程度ですので、とても労働効率が高い働き者といえます。

では、450gの蜂蜜を作るのに必要な花の量はどれくらいなのでしょう?

それはおよそ200万くらいといわれています。

日常なにげなく食べている蜂蜜ですが、その背景にあるミツバチの労働力を考えると、やはり自然に感謝をしていかなければいけませんね!(笑)

 

もし地球上からミツバチがいなくなったら? 2013/04/25(木)

こんな言葉があります。

"If the bee disappeared off the surface of the globe then man would only have four years of life left."

私なりに訳してみますと―――、
「もし、ミツバチが地球上からいなくなったら、人の営みは残り4年ほどだろう。」

これは議論はありますが、一応アインシュタインが言ったとされる言葉です。
私たちはアインシュタインと聞くだけで、それが真実のように聞こえてしまいますが、いったいどういう意味でしょうか?

ミツバチは植物の花から蜜を集め、そのかわりに植物の受粉勾配を助けます。
いわばミツバチと植物とは水魚の交わりのような関係で、実に植物全体の3分の2もがミツバチが行う受粉に頼っているとも言われているのです。

つまりミツバチが絶滅すると、単純に地球上の3分の2もの植物が種を絶たれるわけで、そうなると次に困るのがそうした植物を食料にしている動物たちということになります。

更に草食動物が減ってしまうと当然肉食動物も減ってしまい、生態系が崩れてしまいます。

生態系が崩れてしまえば人類がいくら英知を集めたところで、食料難を免れることはできず、ついには滅亡するだろう。。。

と、まあこういうことらしいですが、それが4年としているところがアインシュタインらしいといえばそう思えますネ。

いわゆるこれは、ブラジルで蝶が羽ばたくとシカゴで大雨が降るという「バタフライ効果」とか、「大風が吹けば桶屋が儲かる」といった類いの、ミツバチと人間との間の連鎖関係をあらわしていますが、ミツバチの大量死とかのニュースを知るたびに、なんだか不安になってしまいます。

そろそろ飯山の菜の花畑への巣箱設置もはじまってきます。
今年、豊作であることを祈るばかりです。

 

ミツバチは火星でも飛べる? 2013/04/24(水)

ハエや蝶、あるいはミツバチなどの昆虫は、無重力状態でも空を飛べるのか?
アメリカ航空宇宙局(NASA)で無重力実験を行ったところ、ハエや蝶はうまく飛べなかったそうです。

さて、様々な食糧問題を抱える地球ですが、将来人類が火星で生活するという奇想天外な考えもあり、野菜を火星で生産する「宇宙農業」というものまで想定されているのだそうです。
そこでは農作物の授粉勾配役としてミツバチにも期待がかかっているのですが、果たして重力が地球の3分の1という火星でミツバチは飛ぶことができるのでしょうか?

そんな実験が数年前に行われました。

実験を行ったのは宇宙航空研究開発機構(JAXA)と玉川大学。
航空機を使い、トマトの授粉に使われているクロマルハナバチという蜂の仲間約30匹を箱に入れ、宇宙を模擬した重力環境で飛べるか?という実験を太平洋上空で行ったそうです。(笑)

航空機を急上昇、あるいは急下降させると数十秒間の重力の小さい環境をつくりますが、その際ハチの動きを観察したところ、無重力状態では壁にぶつかることが多くてうまく飛べなかったそうですが、火星と同じ低重力状態では、体を制御しながらも飛ぶことができたというのです。

これは、低重力を経験したハチが、実験を繰り返すうちに飛び方を学習したということらしく、花粉集めの際に見られるホバリングという空中で静止する飛び方に似た動きも観察されたといいます。

結論としてハチは、重力が地球の約3分の1しかない火星でも、ちゃんと飛べる可能性が大きいことが分かりました。

実験の蜂はミツバチではありませんが、その可能性は極めて高いといえるでしょう。
でも、火星で生活するなんて、そんな夢のようなことが本当に実現するのでしょうかネェ?(笑)

 

ミツバチって「1頭」「2頭」……って数えるって本当!? 2013/03/21(木)

今日のテーマは「ミツバチって「1頭」「2頭」……って数えるって本当!?」です。
そんな話を聞いたことがありますが、実際のところどうなのでしょう?

ミツバチに限らず、学術的には昆虫はみな「〇頭(とう)」と数えるのが正しいそうです。
でも牛や馬でもないのに「頭」と数えるなんて何か変ですね。(笑)

その訳を調べてみますと、どうやら次の説が有力なようです。

そもそも英語圏では家畜などを「head」で数えるのが普通で、それに習って動物園でもそう数えるようになりました。
なるほど動物を数えるには、その頭部を数えるのが一番良さそうです。尻尾では分りずらいし、足ではなおさら数えにくい!(笑)

やがてそれが生き物の個体数をあらわすのに「head」を使うのが通例になり、更には昆虫学者にも影響を与えていったとか。

そして20世紀初頭には、そうした数え方が日本にも伝わってきました。
日本人は「head」を直訳して「頭」と数え、それが現代に至っている……のだそうです。

でも巣箱にミツバチが3万頭いるなんて表現したら、アフリカのサバンナを移動するヌーの群れみたいなのを想像しちゃいますね~(笑)
やはり日常的に考えたら「匹」が一番しっくりいきますネ。

もちろん養蜂家の私たちもミツバチは「1匹」「2匹」……と数えていますヨ。
私たちは学者ではありませんので、そう数えるのはけっして間違いではありません。

 

ハチ、アブ、ハエ、ブヨ……どこちがう? 2013/03/01(金)

ミツバチとアブとハエとブヨ、どれも見た目が似た昆虫ですが、いったいどこが違うのでしょう?

さすがにミツバチとハエはその色の違いから区別は簡単だと思いますが、ミツバチとハナアブに至ってはとても良く似ていて、慣れなければ見分けがつかないかも知れませんね。

ちなみに分類学上の目単位でいうと、ハチはハチ目(膜翅目)で、アブ・ハエ・ブヨはハエ目(双翅目)に分類されていて、その大きな違いは羽根の数にあります。
つまりハチには羽が4枚あり、アブ・ハエ・ブヨには2枚しかありません。

子どもの頃アブを捕まえて、手を袋状にして中でアブをはばたかせると、その羽音がいい音をして、耳元で楽しんでいました。
でもある日、アブとミツバチを間違えて、刺されて痛い思いをした経験が忘れられません。(笑)

見分けられればそんなこともなかったでしょうが、アブとミツバチは慣れるまで見分けがなかなか難しいものです。

ミツバチはアブに比べて胸部と腹部の付け根が細く、触覚が長いのに対して、目はアブの方が大きい印象を受けます。
なにより蜂はお尻に針を持っていて刺すのが大きな特徴ですね。
ミツバチに似たハナアブのたぐいは、実は体の模様をハチに似せて、擬態で身を守っていたのです。

ブヨは蚊を大きくした昆虫ですので、ハエとの見分けも容易でしょう。
どちらかというと同じような色をしているアブとハエは、同じ特徴を持っているだけにその見分けも困難だと思います。

無知だった子どもの頃の私は、まんまとアブの知恵に騙されてしまったというわけです。(笑)

 

みつばちから学んだ?ハニカム構造 2013/02/22(金)

飛行機の翼や人工衛星、もっといえばスペースシャトルや建築材料などにも使われている軽くて丈夫なハニカム構造。

ハニカムといっても照れ笑いをする「はにかむ」ではありません。(笑)
ハニカムとは英語でhoneycomb、つまり蜂の巣という意味ですね。

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構造上もっとも耐久性があるのは円といわれていますが、円を並べると隙間ができてしまい、その分空間と材料に無駄が出てしまいますが、六角形だと円に近い丈夫な形状の上、無駄なく整然と並ぶため、優れた耐久性と軽さを産み出すことができます。

でもなぜミツバチ達はそんな高度な知恵と技術を持っていたのでしょうか?

みつばちは体内にある分泌腺から出る蜜ろうを材料にして巣を作りますが、その形が六角形をしているのは、三角形では部屋が狭くなってしまい、四角形では耐久性が弱くなり、その他の多角形だととなり同士の部屋に隙間ができてしまうからだと考えられます。

この六角形という形は、いわば自然が生み出した最高に優れた形状だったのですね。

 

訪花の一定性ってなあに? 2012/11/30(金)

当場ではアカシア蜜をはじめ、レンゲ蜜、菜の花蜜、そば蜜などを取り扱っていますが、春から夏にかけて一斉に咲く多種多様な花々の中から、特定の花の蜜だけが集められるのはとても不思議だと思いませんか?

もちろん一帯に同種の花が沢山あるというのは最低条件でしょうが、実は西洋ミツバチには、一種類の花だけに通うという「訪花の一定性」という性質があります。
そう、西洋ミツバチには、特定の花を嗅ぎ分ける特殊能力があるんです!

その能力は人間とほぼ同程度だと考えられていますが、臭覚器官の構造は人間の鼻とはまったく違います。

ミツバチの鼻に相当する器官は触角にあり、触角の無数の小さな孔から芳香を嗅ぎ分けます。
つまり西洋ミツバチの触覚には、臭覚と触覚の2つの働きがあるのですネ。

そうして認識した花のある場所を、仲間に知らせる手段が「8の字ダンス」といわれるミツバチ特有の動きなんです。
西洋ミツバチのこの習性は、採蜜活動をより効率的にし、植物にとっては合理的な受粉活動に役立っているんですネ!

一方、日本ミツバチからは雑貨蜜しか採れません。
これは、あるいは日本という島国の狭い土地では、そもそも一定の花から蜜を集めることが難しかったためか、長い歴史の中で訪花の一定性を失ってしまったのかも知れませんね。

 

「越冬つばめ」ならぬ「越冬みつばち」 2012/11/29(木)

朝晩の冷え込みが厳しくなり、長野の北信地方(須坂市)は、雪こそまだ降りませんが、朝は車の窓がガチガチです!

私たち人間は、寒ければ暖房を入れたり、家に入れば炬燵にあたることもできます。
ところがミツバチは冬の間中、いったいどのように生活しているのでしょう?

もちろんミツバチも昆虫ですから変温動物です。
変温動物は人間のような恒温動物と違い、体温を一定に保つことができないので、気温によって体温も変わってしまうということは、小学校か中学校で習いました。(笑)

で、ほとんどの昆虫は、冬の間は幼虫のまま温かい土の中で過ごしたり、卵とかサナギの状態で過ごしており、成虫で冬を越す者は、枯葉や石の下で仮死状態になって寒い期間を耐えるしかありません。

ところがミツバチは冬眠をしません。
しかも成虫のまま冬を越すことができるのです!
すごいと思いませんか?

ではどうしているか―――?

寒くなるとミツバチ達は巣の中央に集まり、蜂球(ほうきゅう)という団子状になります。
そして、みんなで羽の付け根の筋肉を震わせて熱を発生させるのです。

巣の中には何万匹ものミツバチがいますから、一斉に熱を発生すると、驚くことに巣の中を33~36℃に保つことができるのです。
すごい!!

しかし蜂球の外側にいるミツバチはきっと寒いに違いありません。(笑)
すると「寒い、寒い」と言って中の方に潜り込み、中で暑がっているミツバチと交替するんです!
ミツバチ社会にも交替番があるんですネ。(笑)

これからいよいよ本格的な冬に入ります。
みなさんも風邪などひかないよう、体調管理には充分気をつけてくださいネ!

 

捕獲器にはまったスズメバチ 2012/10/16(火)

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だんだん朝夕が寒くなってきて、スズメバチの季節も終わろうとしています。
夏の間、ミツバチにとってスズメバチは天敵でした。

そこで巣箱の入り口に捕獲器を設置していましたが、そこにスズメバチがまんまとはまっていたので写真に収めました。

捕獲器は大きな入り口がある金網で、入り口は釣鐘状になっているので、いったん中に入ったら外には出られない仕組みです。

しかも網目の大きさがポイントで、ミツバチだけは中に入っても通り抜けられる大きさになっているのです。(笑)

誤って捕獲器に入ってしまったミツバチは、ご覧のとおりスルリと外に出られますが、スズメバチは体が大きいので右往左往するばかり。
やがてスズメバチは死んでしまいます。

ちょっと残酷ですが、蜂蜜を守るためには仕方ありませんネ……。

 

ミツバチの攻撃フェロモン 2012/08/28(火)

ミツバチは外敵が現れると威嚇行動を示します。
もちろん巣を守るためです。

羽音を大きく鳴らし、外敵の近くを素早いスライド飛行で威嚇し、そしていよいよ危険だと判断すると、自分の命を捨てる覚悟で攻撃を開始します。
ミツバチは一度刺すと死んでしまいますから、まさに特攻精神です!

そのとき発するのが攻撃フェロモン。

蜂毒の中にはこのフェロモンが含まれており、その匂いを嗅ぎつけた仲間のミツバチ達は、一斉に加勢に集まって来るわけです。
集団で襲われたらそれこそひとたまりもありません!

もっともミツバチは、巣箱を叩くなどの刺激を与えない限り、突然襲ってくることはめったにありません。
もし威嚇行動を察知したら、手で払ったり、潰したりしないよう、ゆっくりその場を離れるのが無難ですし、仮に刺された場合は、水でそのフェロモンを洗い流せば再び襲われる危険を回避できます。
もしそれがスズメバチだったら、縄張り意識が強いのですぐに逃げましょう。

エサが豊富で天気も良い時は、ミツバチも機嫌が良いのであまり刺すことはありませんが、エサが少ない時期だったり、天候が悪かったりするとミツバチの機嫌も悪くなりますので注意が必要です。

また、若い蜂より老いた蜂の方が攻撃性が高い傾向があり、年を取るごとに怒りっぽくなる人間の性質にも似てますネ!(笑)

 

ミツバチのお部屋の温度は快適? 2012/08/27(月)

残暑が続きます。

今年の全国の最高気温は、7月17日に群馬県館林で記録した39.2℃だそうですが、この夏は節電と熱中症対策のジレンマの中で、けっこう気を使ったという方もいるのではないでしょうか?

しっかり水分を補給し、部屋のクーラーの温度設定は28℃。
それでもやっぱり暑い、暑い……。

でも私たち人間は恒温動物ですので、年中体温が一定に保たれるよう体温調節ができますが、変温動物のミツバチは、このように暑い夏はどのようにして過ごしているのでしょうか?

驚くことに、ミツバチの巣の温度は35℃前後と、1年中ほぼ一定の温度を保っているのです!

どのようにして温度を保っているのか?

実は猛暑日のミツバチたちは、羽ばたいて巣の中に風を送る扇風行動をしたり、あるいは巣内に水をまいて、その気化熱を利用して温度を一定に保っているんです!
もちろん1匹だけではできませんから、集団で協力しあってそういう環境を維持するわけですが、まさに一匹ずつが天然のクーラーになって、自分たちの住む場所を快適にしようと努力しているわけです!

そんなミツバチにとっては夏よりむしろ冬場の方が大変です。
冬は蜂球という固まりになって、胸の筋肉を収縮させることによって熱を発し、温度を維持します。

協力しあって自分たちの住む環境を維持する―――。
われわれ人間たちも見習わなければいけませんね!(笑)

 

ミツバチの税金??女王蜂の強烈フェロモン! 2012/08/08(水)

ミツバチ社会ではカースト(階級)が保たれています。
つまり一番偉いのが女王蜂で、以下働き蜂や雄蜂がその社会の中で連なっているわけです。

でも働き蜂同士は年齢によって職業(笑)の違いはあっても身分の違いはありません。
また、働き蜂(メス)の方がオス蜂より偉いんじゃない?という話もありますが、男女同権なので差別はいけません。(笑)

そうして見るとミツバチ国家は、吉田松陰云うところの「一君万民論」に近い階級社会といったところでしょうか?(笑)

しかし、その社会体制をどのようにして保っているのかとても不思議です。

その秘密が女王蜂が出す〝女王物質〟と呼ばれるフェロモンにあります。

アリなどもそうですが社会性昆虫というものは、階級の分化を図るそうしたフェロモンを出すことによって、階級社会の形成と維持をしていることが分っています。
そう、女王バチが分泌する女王物質には、他のメス(働き蜂)のタマゴを生む機能を抑え、働きバチとして行動するよう仕向ける力があるんですネ!

そしてその主成分は9オキソデセン酸という物質で、その他、王台の形成を阻止したり、分蜂の際にミツバチ達を集合させたり、空中婚の際はオスを引きつける役割なども担っているんです!

では、女王蜂が年をとり女王物質の分泌量が少なくなったり、あるいは突然死んでいなくなったりしたら巣はどうなるのでしょうか?これは働き蜂にとっては一大事!
すると、王台形成の抑制力も弱まるわけですからり、働きバチ達は若い幼虫を数匹探し、急きょ王台づくりにとりかかるのです。

また、もし巣の中に若い幼虫がいないときは、抑制されたメスとしての卵巣が目覚め、やがて産卵できるようになるのですからびっくりですネ!
いずれにせよ女王がいなくなったらたいへんです。

働き蜂たちはそんな女王蜂のためにローヤルゼリーを作り続けます。
いわばローヤルゼリーは働きバチにとっては税金みたいなもので、納税の見返りとして〝女王物質〟という社会秩序が保たれた安心の生活を手に入れているわけですネ!

我々人間も国に税金を払っているわけですから、もっと経済が安定し、将来の不安もなく、ずっと安心して暮らせる社会を作ってもらいたいものです!(笑)

 

ミツバチには世界がどう見える? 2012/06/27(水)

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ミツバチの顔を正面から見ると、逆三角形をしています。

2つの大きな目は昆虫特有の複眼で、おでこのあたりには写真では分りずらいですが小さな3つの単眼と呼ばれるもうひとつの目があります。
顔の中心からは2本の触角がありますネ。

おでこの単眼は光を認知するためのもので、物体を認識することはできません。

そしてものを見るのは複眼の方で、幾千もの小さなレンズの集合体で世界を見ています。

特に外部の環境を捉えるのに重要な器官は触角で、ミツバチたちはそれを自由に動かして匂いや香り、あるいは温度や湿度などを感知しています。

ミツバチが認識できる色は6色だと言われています。

黄色、青緑、青、紫、紫外線、そして黄色と紫外線の混合色の六つで、中でも黄色と紫外線の混合色というのはビーズパープル(ハチの紫)と呼ばれる特殊な色なんだそうです。

そして赤が識別できないので、赤い花は黒に見えるのだそうですヨ。

人間の感覚でいえば、赤が黒で、あとは黄色と青色だけの世界といったところでしょうかネ?
なんか想像しただけで、無機質で幻想的な世界が思い浮かんできます。

 

花粉だんご~毛深いミツバチ 2012/06/26(火)

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ミツバチのカラダをよ~く見ると、胸部や足に細かい無数の毛が生えているのが分ります。

ミツバチってけっこう毛深いんですネ!(笑)

実はミツバチたちは花々を渡り歩いて蜜だけを集めているわけではありません。
この細かい毛は花粉を集めるのに重要な役割を果たしているのです。

そして花粉もまた巣房の中に貯えられて、保存食となっています。
この特性を活かして、ミツバチは果物などの受粉勾配にも使われていますネ。

たまに後ろ足に鮮やかな色をした団子のようなものをつけているミツバチを見かけます。
この団子状のものこそ花粉です。

無数の毛に花粉が付着し飛び回るうちに、やがて後ろ足に花粉が集められ団子状になるのですが、これを「花粉だんご」といいます。

黄色や赤、花の種類によって色もさまざまで、巣の中に花だんごをつけているミツバチの足は、とても色鮮やかで目をひきます。
ミツバチは豊かな自然の中でこそよく働き、より多くの蜜や花粉を集めることができるのですネ!

 

これがオス蜂です! 2012/06/07(木)

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オス蜂といえば女王蜂と繁殖して子孫を残すだけの存在です。
巣の中には全体の5%ほどしかいないので見つけるのもたいへんですが、やっと撮った写真がこれです。(笑)

働きバチより体が黒みがかって大きく、目が大きいのが特徴です。また、針を持っていないので刺すことができません。
普段は働き蜂にエサを与えられて巣の中でうろうろしながら生活しています。

そして新しい女王蜂が誕生すると、地上15メートルくらいのところで空中婚が行われます。
それは女王蜂の周囲にオス蜂の群が飛翔しながら交尾をする光景です。

巣の中にオス蜂もいるのですから、何もわざわざ空を飛ぶことはないだろうと思うかもしれませんが、そこにはミツバチの秘密の生態が隠されているのです。
空中で女王蜂を囲むのは、実は別の巣のオス蜂たちです。
そう!巧みに近親交配を避け、優性遺伝の仕組みを作っているのですネ!

交尾を終えたオス蜂は、そのまま死んでしまいます。
そして空中婚で体に精子を蓄えた女王蜂は、巣に戻ってタマゴを生み続け、その精子を受けた者がメスになり、受けなかった者はオスになるのです。

交尾ができなかったオス蜂は巣に戻ってももうすることがありません。
エサが豊富にある季節はいいのですが、秋になり蓄えがなくなってくると、働き蜂はオス蜂を巣の外へ引きずり出してしまいます。
もとより蜜の集め方も知りませんから、オス蜂はもはや餓死するしかありません。

人間から見ればなんとも哀れな一生ですネ……。

 

やっとみつけたよ、女王蜂! 2012/06/06(水)

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養蜂場のブログだというのに、まともな女王蜂の写真がないことに気づき、この機会に撮影しようと試みました。(笑)

ところがいざ撮ろうとしても、一つの巣箱に何万匹もいるミツバチの中に、たった一匹しかいない女王蜂を見つけるのは、働き蜂より一回り大きいとはいえとてもたいへんなことなんです。
一緒に採蜜するおじさん達の協力も得ましたが、なかなかいません。

しばらくして社長が、「いたよ!」と見つけました。さすが社長!

ところがカメラを構えてシャッターチャンスをねらっても、ちょこちょこと動き回っていていい写真が撮れません。
そうしてやっと撮った写真がコレ!

この一匹の女王様のためにミツバチ達は働いているんですね!

何回かシャッターチャンスをもらいましたが、一回は女王蜂がポロリと下に落ちてしまいました。
「こりゃたいへん!」
巣箱に女王蜂がいなくなるというのはミツバチにとっては大事件です。

仮に他の巣箱の女王蜂と入れ替えたらどうなるでしょう?

それもまた大喧嘩となってしまいます。
巣箱に新しい女王蜂を入れるときは、袋に入れたまま一週間ほど慣らすのだそうです。
新参者はミツバチの社会でもなかなか受け入れてもらえないんですネ!(笑)

ミツバチの世界って本当に不思議です。

 

煙でおとなしくなるミツバチ 2012/06/05(火)

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ミツバチの巣箱を開けると、すさまじい数のミツバチが飛び立ちます。

こんな大軍に襲われたらひとたまりもありません!(笑)

養蜂家は、こんなミツバチを相手にどのようにして採蜜するのでしょうか?

そこで一役買っているのが「燻煙器」という道具です。
採蜜する際には絶対欠かせません。
何に使うかというと、煙をつくって噴き出す道具なのです。

中に麻など燃えやすいものを入れて火をつけると、もうもうと煙が出てきます。
それを巣箱に吹き込むと、ミツバチたちはおとなしくなるのです。

なぜ、煙をかけるとミツバチたちがおとなしくなるのか?

実はこれ、ミツバチの性質には違いないのですが、いくつかの説があるものの、本当のところはっきりとしていません。

まず一つ目の説は「山火事避難説」です。
ミツバチは、煙をふきかけられると山火事だと思い、巣に避難しておとなしくなるという説です。

もうひとつは「二酸化炭素鎮静説」です。
煙の二酸化炭素にはミツバチにとって鎮静作用があり、おとなしくなるという説です。
こちらの方が科学的ですが、証明されているわけではありません。

でも最初にこのことを発見した人はすごいですね!

ミツバチの生態については、まだまだ分からないことが沢山あるんですね。

 

黒い色が危ない!ミツバチの習性 2012/06/04(月)

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先週末、養蜂現場に行きました!
その日に撮ったアカシアの花にとまったミツバチの写真です。

行く前、社長いわく、
「白い服装をしてくるんだよ」
と、その日、言われるままに白いジャージを着て現場に行ったはちぶんでした。

白い服装には意味があります。
ミツバチが攻撃をする場合、黒い部分を狙って襲ってくるのです!

ですので髪の毛や眉毛が特に危ないというわけです。
まあ、網のかかった麦わら帽子をかぶるので、顔は安全なわけですが。

なぜミツバチは黒い部分を狙ってくるのか?

それには知られざるミツバチの習性があります。
それはクマです。
ミツバチの天敵はクマなんです!

プーさんは黄色ですが、実際のクマは黒い色をしていますよね。
白熊は白ですが北極にいます。(笑)
そうなんです。ミツバチは黒いものを天敵だと思っているのですネ!

幸いその日は一回も刺されずにすみましたが、一緒にやっていたおじさんは十数か所も刺されて、
「こんなことはじめてだ~!」
と、とても痛がっていました。

なんでも巣箱によってミツバチの性格も違うらしく、中にはどうにも気性の荒いミツバチが集っている巣箱もあるのだそうです。

本当にミツバチの世界は深いなあと実感しました。

 

漆を発見したのは蜂だった……? 2012/04/20(金)

漆(うるし)といえば漆器や家具の塗料として、あるいは木材等の接着剤として使用される天然樹脂ですが、この漆の力を最初に発見したのは人間ではなく蜂だったといわれています。

実は漆が硬く固まる力を、蜂は巣作りに利用しているのです。

どのように利用しているかというと、巣の付け根の部分。
なるほどスズメバチなどのあの大きな巣が、家の軒下や木などにくっついて落ちないのはとても不思議です。

巣をよく見てみると、巣の付け根に黒い固まりがあります。
実はそれが漆なのです!

今は昔、それを不思議に思った人間が、巣作りをする蜂を追いかけてみますと、蜂は漆の木にたどりつき、その樹液をとっているのをみつけました。
そして巣に帰り、巣と木の接地面にとってきた樹液をつけている蜂を発見したといいます。

以来、狩猟に使う矢じりの接着剤として使い始めたのが人間と漆との最初の出会いとなりました。

とはいっても石器時代の話です。
矢じりは石器で、それを矢の柄に固定するには、細い竹などを割って石器を挟み、その部分を藤蔓などの細いひもでしばって、その上から漆を塗って固めていました。

やがて時を経、その光沢の美しさを知って器や家具などの塗料としても使うようになったとか……。

一説ではありますが、蜂は人間と漆の愛のキューピッドだったんですネ!(笑)

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