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ミツバチと共に90年――

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青春は今と違う

レメリア

 

 先日、ママ友と中学の部活の話になった。今時の子は、部活くらいで汗水垂らしてやっている子って少ないよね ‼ ‼と言う話から始まった。
 私の時代は
 「先輩の球拾いだけで1年生が終わり、2年生で先輩と後輩の狭間で人間関係の難しさを十分知るって ‼ ‼感じだったよね」
 「そうだよね~~ ‼私の部活なんて1年生は部室に入れてもらえなかったから、夏の日陰をピックアップしてたよ~~!!」
 「水も飲ませてもらえない時代 ⁇だった人 ⁇」
 そこにいた全員が
 「そうそう ‼ ‼」と一斉に返事…。
 「そう思うと、今の子供は楽なのかな~~ ⁇」
 「そういう面では守られてるんじゃない ⁇」確かに…。
 「私なんか、先輩が怖くて怖くて ‼ ‼先生より先輩の言う事しか聞いてなかったし。
 今思えば笑えるけど、その時は先輩が相当怖い存在だったよ。」確かに…。
 「うちの部活は、試合の度にハチミツ漬け配りが任務だった ‼ ‼」
 「何それ ⁇ハチミツ漬け ⁇」
 「それは知らないな~~」
 「各自 後輩が先輩にあげるために作ってくる風習があって。よく作ったな~」
 「何じゃそれ ・ ・。ハチミツ漬けは知らないわ~~」
 「濡れタオル作りは、あったけどね~~」…。

 そんな思いで話に花を咲かせ 母たちは盛り上がって解散した ‼ ‼

 帰宅してフッと ハチミツ漬けを食べたくなった。
 青春の1ページに記憶されたハチミツ漬けは、先輩への唯一の大仕事だった。
 代 々先輩から受け継がれていたハチミツ漬けの作り方。
 レモンを薄く輪切りにする。なぜだか?輪切り ‼ ‼
 そして、タッパーに敷き詰める。
 中学生目線の目分量でレモンが浸かる位の蜂蜜。
 これを、どんなに疲れていても試合前日に作り、冷蔵庫で1晩寝かす。
 後輩たちは、各自自分で作ったハチミツ漬けを試合に必ず持ってくる。
 10人10色の味付け ‼ ‼中学生の作品 全員一斉に並べて品評会。

 今思えば、本当に愛らしく可愛いが、当時は美味しいとは思っていなかったな~~。
 さほど美味しいハチミツ漬けでは無かったが、何となく甘酸っぱい思い出が
 記憶を美味しく変化させる。

 主婦歴を充分に生かしたハチミツ漬けを数十年ぶりにチャレンジ ‼ ‼
 その場で一口 ‼ ‼ 馴染んでいないのですっぱ甘い…。
 一晩寝かすために冷蔵庫へ。
 一晩 中学時代が思い出された。
 忙しく、ゆっくり思い出さなかった中学時代の記憶。
 ひも解くように、色 々 思い出すものだった。
 平凡な日常は、今も同じかも知れないが…。
 思い出に残った平凡な日 々は、色 々な付属品が出てくるものだった。
 帰り道、買い食いをしてばれたな~~。
 テスト休みは、いつもあの子の家で散 々歌って ・踊ってさわいでたなあ~~。
 平凡 ・りぼん ・セブンティーン の発売日。
 友達の誕生日プレゼントには、必ずサンリオだったなぁ。
 懐かしい思い出ばかり…。

 そして1晩経って ハチミツ漬けを思い深く食べてみた。
 思い出した。
 「あいつお前のことが 好きだってよ ‼ ‼」と言われたことを。
 甘酸っぱい記憶がよみがえった。、そのまま通り過ぎた私だったが…。
 主婦の私が作ったハチミツ漬けは、甘くておいしい蜜の濃い(恋)レモン味
 思い出は青春を感じる、上出来な味に仕上がっていた。

 

(完)

 

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