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蜂蜜エッセイ応募作品

イギリス生活で出会った蜂蜜の味

大谷 尚子

 

 イギリス滞在中、朝食時に、薦められるままに初めて食べたセットハニー。言われなければ蜂蜜だと分からなかった。言われれば、蜂蜜そのものの味だった。一度で気に入った。日本では特に蜂蜜を食べる習慣はなかったが、イギリスでは蜂蜜が美味しい。というか、食パンが日本のそれより塩気が強くパサついている。だから、日本の柔らかく甘めの食パンのトーストにはバターのみで十分だが、イギリスではバターに加えて蜂蜜やジャムをつけたくなる。それが熱いミルクティーと合って美味しいのだ。やはり食は文化だ。帰国しても蜂蜜を常備するようになった。紅茶にもコーヒーにも砂糖を入れる習慣はないが、特に冬場は、ミルクティーに蜂蜜と生姜を加えると美味しい。体が温まる。ミルクコーヒーやココアに蜂蜜を加えるとまろやかになり後味がいい。寒いと惨めで情けない気持ちになりかけるが、優しい甘さがこころまで温かくする。ダイエットと称し、甘味を完全シャットアウトするより、少し甘やかす余裕があってもいいではないか。他人にも優しくなれる気さえする。何より、カロリー摂取をしても白砂糖より罪悪感が少ないだけでなく、体にいいことをしている気分にさえなる。夏は無糖のプレーンヨーグルトに少し高い位置から静かに細くたらす、苦みと酸味の強いグレープフルーツを加えてもいい。蜂蜜は、その効用はよく分かっていなくても体にいいと信じている食材の一つかもしれない。以前は、イギリスへ行くたびに、セットハニーとマーマレードジャムを購入していた。今では、日本でも質の高い美味しいのが手に入る。ウニとチーズは子供の頃に不味いものを食べると「嫌い」になる場合が多いようだ。蜂蜜もそうかもしれない、と思う。本物の美味しさを一度体験すると、その食材のイメージが一変する。

 

(完)

 

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