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蜂蜜エッセイ応募作品

蜜蜂さん、ありがとう

渡辺碧水

 

 蜂蜜は実においしい。濃厚で甘く、栄養価も高く、抗菌 ・薬効にも優れている。だから、私は大好きでパンなどに塗ったりして、様 々な形で毎日のように味わって飽きない。八〇歳を過ぎてなお元気な源だと思う。
 蜂蜜はどのようにしてできるのだろう。ぜひ知りたいと思って調べてみた。
 蜂蜜は、蜜蜂が花から花へと飛び回り、花の蜜を集めたものだ。だからといって、そく「蜜蜂が集めた花の蜜」となるのだろうか。花の蜜(汁)自体を言うのなら、花を機械で絞っても同じだろうから、「蜂蜜」と名づけるのはおかしい。機械で花を絞っても、蜂蜜に似たものにすらならない。
 蜂蜜というからには蜜蜂にしか造れない特製の加工品だ。他の昆虫にも機械でも造れない。当たり前のことだが、この点のおさえが大切だ。
 蜜蜂の行う製造過程を確かめると、花蜜収集係の働き蜂が、飛び回り花の蜜を吸い取りながら、胃のそばにある「蜜のう」という器官の中に蓄えていく。貯めた蜜を持ち帰り、巣の中で働く貯蔵係の蜂に口移しで蜜を渡す。この時、体内の酵素を加えて「果糖+ブドウ糖」に分解し、吐き出して巣に貯蔵する。
 収集係が持ち帰って貯蔵係に花蜜を渡すとき、貯蔵係は糖度の高いものを優先して受け取り、低いものを持つ収集係は待たせるそうだ。良質を保ち、収集係をより良い蜜源へ効率的に動員する仕組み。
 蜜の受け渡しを繰り返したり、羽根で風を当てたりして水分を蒸発させ、二~三日かけて濃縮(糖度八〇 %に)する。そして、蜜ろうで巣にふたをして熟成し、保存食として蓄える。このように特殊加工 ・貯蓄されたものが神秘的な「蜂蜜」である。
 聖書には「蜜」の言葉がしばしば登場する。昔も今も「生活の豊かさ、楽しさ、はつらつさ」を象徴する食品であり続けている。
 魔法を駆使する蜜蜂さん、ご苦労様。元気の源をありがとう。そんな心境で毎日いただいている。

 

(完)

 

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