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蜂蜜エッセイ応募作品

祖母と私を繋ぐもの

ほい

 

 「風邪をひいたらはちみつよ!」これが祖母の口癖で、遠くに住んでいる祖母と私を繋ぐ宅配便の贈り物にはいつも大量のはちみつが入っている。私はそのはちみつが大好きで、贈ってくれるたびに祖母にお礼の電話をし、たわいもない話で盛り上がるのだ。
 そんな祖母が教えてくれたのが、「はちみつホットミルク」。作り方は温かいミルクにスプーン一杯のはちみつを溶かす。ただそれだけなのだが、心がホッとするような気分になる大好きなレシピだ。祖母の家に行ったときにこれを飲みながら悩みを聞いてもらったりもした。
 私は高校3年生になり、受験生になった。行きたい大学と自分との差が大きく、周りが見えないくらい必死に勉強した。それでもなかなか結果が出ず、自分の努力が報われないことに心底悩み、落ち込んでしまうことがあった。そんな中、一本の電話があった。それは祖母からだった。「元気にしてる?大変だと思うけど頑張って。またはちみつ送るね。」優しい祖母の声に、私は小さな子どもみたいに大声で泣いてしまった。そして、あと少し頑張ろうと思えた。徹夜で勉強する時も、受験直前にも私は祖母の教えてくれた「はちみつホットミルク」を飲みながら乗り越えた。私はこの春、ずっと行きたかった大学に進学する。
 私にとって「はちみつ」は祖母と私のコミュニケーションを繋いでくれる大切な存在だ。コロナが落ち着いてきた今、祖母が教えてくれたあの「はちみつホットミルク」を飲みに祖母のところへ遊びに行こうと思う。

 

(完)

 

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