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蜂蜜エッセイ応募作品

ハチミツの重み

渡辺蛍楓

 

 わが家はハチミツ派一家だ。朝のトーストはジャム派ではなくハチミツ派、ホットケーキもメープルシロップ派ではなく、ハチミツ派、ヨーグルトもハチミツ派、コーヒーもハチミツ派…
 こうして挙げてみると、甘味はすべてハチミツかもしれない。とにかく、そんなわけでわが家はハチミツをよく買う。ハチミツは始めのうちはとろとろ思うように容器から出てくれるが、後半、だんだんいうことをきかなくなり、最後の数センチで完全に動きを止める。ネットで、温めるといいとか、逆さまにするといいとか様々な方法を知り、試みるが、やっぱり結局最後1センチくらいのところでうんともすんともいわなくなり、最後の1センチボトルたちが、わが家のキッチンにはずらっと並んでいる。やはり、はい、ではさようなら、と軽々と捨てられない重みがハチミツにはある。なんだか、ハチたちの視線を感じる。かといって、もううんともすんとも言わないので、並び続ける。ようやく1年後くらいに、もう、許してもらえるだろうと1人思い、古いものから処分する。時々、主人の登場で一気に姿が見えなくなることがあるが、私にはできない。この時もなんとなく、ハチたちに心の中で謝る。ただの調味料とは一線を画す、ハチミツ。このハチミツの重みこそがハチミツのハチミツたるなんとかだろう。このなんとかはハチミツが内包する大きな世界が一言では言えないので、なんとかとごまかさせていただいた。私が語れるはずもない、ハチミツの重さ。ただひしひしと感じる、ハチミツの重さ。
 話を戻して、養蜂家の方々にもこの場を借りて謝ろう。いつも最後まで使いきれずすみません。そしていつもありがとうございます。ハチミツって美味しいです。

 

(完)

 

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